プーチンの周辺で異変が起き始めた
大統領特使辞任、軍トップ姿消す
己に徳が無ければ人心を掌握することは叶わない。
独裁者が部下を動かすのは”恐怖の代償”を求めるからだ。
ヒトラー、スターリン、毛沢東、金日成など
歴史に名を記す独裁者は皆、この手法で権力を維持した。
そして今、プーチンもこの手法を用いて、ウクライナを侵略している。
しかし、所詮は小物が虚勢を張っているために、
侵略から1か月が過ぎたあたりから、虚勢に陰りが見え始めた。
ロシアの大統領府の特別代表を務める、アナトリー・チュバイス氏(写真右)が
辞任したことが明らかになった。
チュバイス氏は「民営化の父」と呼ばれるロシア改革派の大物政治家で、
エリツィン大統領の下で、民主化に基づく経済改革を推進した。
2020年、国連の気候変動に関するプログラムに大統領特使として参加するなど
ロシア政界の重鎮である。
ローターによると、チュバイス氏は現在、妻と共にトルコに滞在していて、
ロシアに戻るつもりはないという。
チュバイス氏は、プーチンが大統領に復帰した2012年、
「ロシアでファシズムが抬頭する」と発言してプーチンの政治手法に
警鐘を鳴らした。
異変はこれだけではない。
プーチンが信頼を寄せてきた軍と国防省のトップにも異変が起きているとの
見方が出ている。
軍トップのゲラシモフ参謀長(写真右)とショイグ国防相(写真左)が、
侵略開始後の先月26日以来、メディアから姿を消しているのだ。
2人が先月26日、プーチンと会談した時の写真(上)が最後で、
その後の消息は伝えられていない。
ロシア軍は、これまでに上級士官、佐官、上級将校ら軍幹部15人が死亡、
兵士7000人から1万5000人が死亡又は死傷したと見られていて、
軍トップの2人は、プーチンからこの責任を追及されているのではないか、
との見方が広がっている。
プーチンと政治家、軍のトップに亀裂が出始めている。