台湾 中国の攻撃に8割が「戦う」
軍事圧力への反感高まる
中国の圧力が日々、台湾人を団結させている。
原住民、本省人、客家人、外省人、台湾の政治は4群と呼ばれる集団の融和が
長年の課題であった。
選挙では、民進党と国民党が接戦を繰り返し、客家人と原住民の票が
勝敗を左右する展開が繰り返されてきた。
このため、蔡英文総統は総統1期目から「4群の融和」を呼び掛けている。
その4群間の溝がここにきて急速に狭まりつつある。
台湾民主主義財団は昨日、「台湾人の防衛意識」に関する
世論調査の結果を発表した。
それによると、
中国が統一のために台湾を攻撃した場合、
「台湾を護るため戦う」と回答した人は過去最高の79.8%で、
昨年の68.2%から大幅に増加した。
また、台湾が独立宣言のために中国に攻撃された場合も
「戦う」と答えた人が71.5%になり、こちらも昨年の57.4%から増加した。
グラフの赤線は、台湾の武力攻撃に戦うと答えた人の推移、
グラフの青線は独立宣言での武力攻撃に戦うと答えた人、
いずれも2019年から急増している。
財団は香港の支配を見て、台湾の民主主義を擁護しようという意識が
急速に高まった結果と話し、
中国と戦うと回答した人の多くが40歳以下であると説明した。
一方、台湾安全保障協会の世論調査では、
82,5%の人が「台湾は米国と外交関係を確立すること」を支持すると答えた。
反対は8,9%で、協会は「外交部はこの結果を基に対米関係を進めるべきだ」と
提言した。
台湾の4群社会は、「反中」という意識で固まりつつある。
10月10日、双十節(国慶節)の日、
国民党の親中派と退役軍人は、対中融和を訴えて集会とデモを行ったが、
参加者は大幅に減少した、と台湾各紙は報じた。
写真を見ても多くが高齢者で、若者の姿は見えない。
外省人家庭に生まれた若者の多くが「台湾人意識」を持ち、
「天然独」(台湾は既に独立している)集団に属している。
この意識は自由と民主主義の清流に育まれた賜物だ。