反中の台湾では今
香港支援 米国は軍事施設訪問 イスラエルと関係強化
香港のデモは、アジア太平洋地域の自由と民主主義が
海洋進出を目指す中国の脅威に晒されていることを教えてくれた。
台湾では学生らが中心となって、香港のデモを支持、
全国の大学で支援集会が開催されている。
昨日は、台北にある国立台湾大学付属医学病院の医療スタッフ100人余りが、
香港支援を訴えた。
「台湾と香港は同じ気持ち、医療者も一緒」のスローガンを掲げて、
香港警察の武器使用が如何に危険かを医療従事者の立場から厳しく批判した。
そして、1人でも多くの台湾人が香港の現状に理解を示してくれるよう求めた。
「台湾の医療者は香港を支える」
台北市の医療組合はこのスローガンを病院内に張り、支持を訴えている。
一方、アメリカは台湾への武器売却を通じて
台湾の自由と民主主義を守る姿勢を強調している。
台北にあるアメリカの対台湾窓口機関の「米国在台湾協会」(AIT)の
クリステンセン代表(右から5人目、大使に相当)は20日、
南部高雄の台湾海軍基地を訪問した。
写真はAITが公表したもので、AITの代表が台湾の軍事施設を訪れることは
これまで非公開とされてきたため、写真の公表は米国が台湾との関係強化に
取り組んでいることをアピールする狙いがある。
AITの一行は米国が売却した駆逐艦や水陸両用車両などを視察、
海軍側と意見交換を行った。
米国は最新鋭戦車に続き、改修型のF16戦闘機66機を売却した。
レーダーや出力の大幅向上に、最新型ミサイルを搭載したF16戦闘機は、
蔡英文総統のいう「中国の攻撃に耐え得る防衛力」に寄与するものだ。
蔡英文総統は、自由と民主の台湾を中国から守るためには、
防衛力の強化と軍事技術の開発が不可欠と考える
現実的な政治家である。
台湾は先週、敵(中国)のレーダー網を破壊する無人攻撃機を
イスラエルの技術協力を得て開発すると発表した。
意外と思われるかも知れないが、
蔡英文氏は総統になる前、周囲をアラブ国家に包囲されながら、
4度の戦争に勝利したイスラエルに注目し、訪問していた。
「台湾に於ける重要な政策のひとつは、国防投資を経済発展と
どう結びつけるかだった。これは私がイスラエルを訪問した時に、
学んだものだった」(『蔡英文 新時代の台湾へ』から引用)
米国が蔡英文総統を評価しているのは、自由と民主主義の擁護者でありながら、
現実主義者という極めて西欧的な思考を持っているからだ。