国民党候補「2つの中国」中国即座に否定 | 洋左右的人生

国民党候補「2つの中国」中国即座に否定

 

          郭台銘氏 政治の未熟さ露呈

台湾の総統選挙は、政治家(民進党)対政治屋(国民党)の戦いに見える。

選挙の争点の一つは、中国の圧力から台湾をどう守るかだ。

この問題について、中国の影響下にあると見られている

鴻海精密工業の郭台銘会長は一昨日、

「私の言う中国は中華民国と中華人民共和国の2つだ」

「北京(中共)は中華民国の存在を認めるべきだ」と語り、

自らを中華民国に立つ人間とアピールした。

大陸國務院台辦發言人馬曉光回答記者提問。中新社

この発言に対して、中国の台湾対策事務所は昨日、

「中国は1つしか存在しない」

「台湾は中国の領土である」

「故に、国と国の関係などない」と郭氏の主張を一蹴した。

 

中華人民共和国の主張は一貫している。

1945年ー1949年の国共内戦で勝利した中国共産党は、

「中華人民共和国が中国を代表する唯一の国家」として、

敗者の中華民国をこの時から「消滅」したとの立場を取っている。

 

習近平が今年の初め、台湾に「一国二制度」の受け入れを強要したのも

1949年の内戦勝利以来の不変的な姿勢なのだ。

だから「台湾独立には武力行使も辞さない」と言うのは、

習にとってはごく「当たり前」のことを言ったに過ぎないのである。

總統蔡英文。(記者廖振輝攝)

郭氏の「2つの中国」に対して、

蔡英文総統は「中国がその主張を認めるかどうかだ」と疑問視し、

中華民国(台湾)の安全を守るためには

「一国二制度」を拒否する必要があるとの認識を示した。

 

蔡氏は

李登輝元総統がが1995年、台湾と中国の関係について

「国(中華民国)と国(中華人民共和国)の特殊な関係」、「一辺一国」と規定、

台湾は中華人民共和国に含まれないと主張、

これに対して中国は激怒し、「台湾海峡に国境は存在しない」として、

台湾本島付近にミサイルを撃ち込んだ経緯を熟知しているのだ。

 

国民党の総統候補決定は7月にずれ込んでいる。

それまでに、韓國瑜氏、郭台銘氏は発言すればするだけ

政治的無知を曝け出すことになりそうだ。