こんにちは
松花堂昭乗研究所です
あいにくの雨の土曜日ですが いつものように定例講座を開催しました。
前半の松花堂昭乗の書状では、「8月13日」付の「瀧本坊」の署名のある書状をよみました。
ここ2回ほど読んだ書状では、昭乗さんの体調が悪いことが窺われましたが、今回の書状でも体調が悪い様子。
必ずしも一連の書状とは断定できませんが、近い時期の書状であることが窺われます。
「精神的な重圧が昭乗さんの体調に影響を及ぼしたのでは?」
という、この書状の差し出された時期を、師・実乗没後の寛永4年頃と想定し、体調を崩した背景に、住職を継いだプレッシャーを読み取る見方もあります。
実際のところは、どうだったのでしょう。
わからない、といえばそれまでですが、推測することは許されます。
残された資料を手掛かりに推測することは、書状という個人的な資料をよむ際の醍醐味でもあるといえましょう。
さて、後半は、信海さんの狂歌巻を読み進めております。
最近、展覧会の準備にすっかり熱中し、予習どころではなかった自分自身を反省しつつ、担当させて頂きました。
さて、1首ご紹介しますと
(詞書)歳暮の歌とて
此くれを
何としょうきの
こまりもの
金銀とられ
手前つまった
今年の暮れは、どうしたものかと困ってしまうよ。
金も銀も取られてしまって、暮らし向きが行き詰まったよ。
出費の多い、歳末。その年の諸々の支払いを溜めていると、この時期、支払いに追われてしまいます。
歳末の困った懐事情を、将棋の話に重ねながら、からっと明るく詠んだ1首です。
あと1か月半もすると、年末ですね。
さて、来月の定例講座は12月12日(土)です。
その前に、12月6日(日)には、特別講演会を開催します。
秋は盛りだくさんの松花堂です
美術館では、特別展「ようこそ、神と仏の男山へ―石清水八幡宮太子堂の遺宝―」を開催しています。
展覧会は12月13日(日)までとなりますので、こちらもどうかお忘れなく。
明日11月15日(日)は、特別展に関連した講演会を開催
若干の余裕がありますので、お申込みまだの方は、お問い合わせください。
それでは来月に