こんにちは
松花堂昭乗研究所です
みなさんいかがお過ごしですか?
おかげさまをもちまして、研究所の活動も新年度を迎えました
本日4月19日(土)、4月定例講座を開催しました。
本年度も『茶道文化研究』第4輯所収・陽明文庫所蔵の松花堂昭乗書状を引き続き読んでまいります。
そして、もうひとつのテキスト「男山栞」も読み進めてまいります!
いよいよ、本当に、読了も間近です。
皆さんの顔色もずいぶん明るくなってまいりました
さて、本日の書状は、「式部卿」の署名のある5月9日付のものでしたが、差し出された時期を推測する上で、いくつかのキーワードがみられました。
(1)「式部卿」の署名
(2)文中にみえる「御所様」の呼称
(3)文中にみえる「公方様」御上洛の話題
(1)から想像されるのは、昭乗が瀧本坊を継ぐ寛永4年3月以前であること
(2)は、近衛信尋に対する敬称と考えた場合、信尋の関白就任(元和9年閏8月)以前と推定可能か
(3)は、徳川秀忠と想定すると、元和3年、5年、9年、寛永3年あたりに絞ることができる
ということで、元和3年以降、寛永3年頃のものと想像されます。
手紙の年代特定は意外と難しいものです。「この年のものです」と言い切ることができたら晴々するものですが、なかなかそういうものは少ないです。
あせらずこつこつ継続いたしましょう。
さてさて、「男山栞」。
今日は、ちょっとドラマチックな展開が・・・。
そう、半斎さん、神立愚鈍こと山地道輔のことを書きとめています。このふたり、ほぼ同時代にあって、松花堂昭乗の書に傾倒し、流派の普及に尽力した人物です。
半斎さんは上方で、愚鈍さんは江戸で、と一見接点はなさそうにみえるんですが、
半斎さんの書の師・伴泰庵は愚鈍さんと親交があったようで、その縁で伴泰庵の追善の会を愚鈍さんと持ったそう。
これも、祖師・昭乗さんがとりもつ縁ですね。
なんだか感動的。目頭も熱くなります。
とはいえ、半斎さんはちょっと愚鈍さんにライバル心を抱いているようす。
負けず嫌いの半斎さんですからね、いろいろ複雑なんでしょう。
そんなことで、本日の定例講座も無事終了いたしました。
最後にちょっとおしらせです
毎日放送(MBS)で日曜の早朝に放映されています「美の京都遺産」で昭乗さんが取り上げられます
放送予定日 : 平成26年5月4日(日) 朝6時15分~
うれしいな。
おたのしみに
それでは本年度もどうぞよろしくお願いいたします。