~松花堂昭乗研究所~

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こんにちはにひひ

松花堂昭乗研究所です。

午前中まで久しぶりの雨模様でした。

美術館では春季展も終了し、ちょっとさみしいような土曜日です。

雨のあがった午後、5月の定例講座を開催しました。

 

前半は松花堂昭乗の書状をよみました。

本日の書状は「十月廿一日」付の「式部卿」の署名のあるものです。

宛所は明記されていません。

先の2通の書状と同装されていた書状であることから、一連の書状と想像されます。

 

少し前の出来事でしょうか、先方(差出先の人物)が、男山に逗留していた様子。

せっかく逗留されていたのに、昭乗さんは忙しくてゆっくり話もできなかったようです。

昭乗さんは、先方に絵を描くよう依頼されている様子で、進捗について、

「進んでいます」と報告しています。

また、屏風のことも依頼されているようで、これはどのような用件かはっきりしませんが、

「今はそんな暇がないので、すぐには無理です」と報告。

そんな中、先方から「みぞれ酒」を頂いたようで、そのお礼を書き添えています。

 

さて、後半は引き続き「八雲御抄」を読み進めています。

冬の景物が続きます。冬の季語である「網代」がでてきましたが、

「網代打つは秋なり」という文言もみえます。

間違いがちなので、注意しましょう、ということなのでしょう。

 

来月も引き続きよろしくお願いいたします。

 

来月の定例講座は6月10日(土)となりますニコニコ

 

 

 

 

松花堂昭乗研究所ですニコニコ

 

4月8日(土)の午後、平成29年度、4月定例講座を開催しました。

当日は暖かな雨模様でした。

松花堂昭乗研究所の活動は、今年の秋、まる8年目を迎えます。

10年続けてゆくことを目標に、本年度も続けてまいります。

よろしくお願いいたします。

 

さて前半は、昭乗さん式部卿時代の「正月十六日」付の書状。

宛所は「児傳兵」とあります。

前回よんだ昭乗に続く時期のものと想像されます。

追而書から、「児傳兵」は筆道修行に精進している様子がうかがわれます。

昭乗さんに清書をみてもらっているようです。

昭乗さん、

「見事ですね。かなり筆道の奥深いところも理解されていますね!」

と、絶賛です。

褒められると、ひとは上達するのですよね、きっと。

 

後半では、「八雲御抄」(仮)をよみ進めました。

内容的には冬の風物が続き、それぞれに「付合」となる語が付されます。

このテキストを読んでいると、連歌や俳諧の季寄せなんだろうと感じられます。

ただ、全巻揃った本ではないので、全体像ははっきりしません。

もう少し読み進めたいと思っております。

 

来月もよろしくお願いいたしますにひひ

 

 

 

 

 

こんにちはニコニコ

松花堂昭乗研究所です。

 

3月11日(土)は、平成28年度の研究所最終行事として、研究報告会と講演会を開催しました。

午前10時30分から12時までは研究報告会。

 

3名による研究報告がありました。

 

報告①草庵「松花堂」の襖の書について

報告は、当館川畑薫より。

松花堂庭園内にある草庵「松花堂」。

その内装品である襖に貼られた書について、筆者とその内容についての報告。

普段、いつもそこにあるものとして目にしている草庵内の襖ですが、そこに書かれている内容について、改めて確認しました。

 

報告②乗祐と実乗ー瀧本坊と茶の湯ー

報告者は、研究生の奥山邦彦氏。

松花堂昭乗の師である瀧本坊実乗、そしてその実乗の師・乗祐。

彼らはともに当代にあって茶の湯に通じた僧侶でした。

書状などを通して窺われる彼らの活動を、丹念に追跡されました。

 

報告③松花堂昭乗の映画作り

報告者は、研究生の田中千世子氏。

文化ドキュメンタリー映画『男山の松花堂昭乗』の制作に取り組んでいらっしゃいます。

そのプロローグ約10分の映像をスクリーンに写してご紹介いただきました。

 

昼休憩をはさんで、午後1時30分より、講演会を開催しました。

 

茶道史研究家の深谷信子先生より、以下のテーマでご講演頂きました。

 

小堀遠州と松花堂昭乗の瀧本坊茶室

ー寛永十年六月二十九日の茶会を中心にー

 

 

寛永10年6月29日の朝、瀧本坊の茶室「閑雲軒」を中心に行われた茶会には、板倉周防守重宗、永井信濃守尚政、永井日向守直清、そして小堀遠州が招かれました。

 

寛永10年とえば、前年に徳川秀忠が亡くなり、寛永3代将軍・家光の治世のもと、政治体制強化へと向かう時期にあたります。

 

男山の瀧本坊茶室で開かれた茶会に集った大名らは、雲に浮かぶような茶室「閑雲軒」で、どんな話に興じたのでしょう。

瀧本坊の茶室は、知られざる歴史の裏舞台であったのかもしれません。

 

亭主である昭乗は、普段と変わらぬ、お気に入りの茶道具で、彼らをもてなしたようです。

戦のない穏やかな世を願う昭乗の心が、そのもてなしに込められていたと、思わずにはいられません。

 

松花堂昭乗尽くしの本日の行事は、お陰様をもちまして無事終了しました。

ご参加いただきました皆さま、そして深谷信子先生、誠にありがとうございました。

 

4月より、新年度が始まります。

引き続き、よろしくお願い申し上げます。