消費者庁創設 混乱を招く決着では困る
消費者庁創設 混乱を招く決着では困る
福田首相が来年度の創設を目指す消費者庁はどんな組織になるのか。
消費者行政の司令塔として、うまく機能させるには、入念な制度設計が欠かせない。
有識者で構成する政府の消費者行政推進会議が、5月末に消費者庁の素案を示した。
素案は、商品・金融などの「取引」と、製品・食品などの「安全」と「表示」に関する法律を、各省庁から消費者庁に移管するとした。消費者庁に、各省庁への勧告権や総合調整の権限を付与することも盛り込んだ。
食品偽装や冷凍ギョーザ事件などでは、縦割りの消費者行政の弊害がでた。消費者重視へ、行政を大きく転換させることを意図したものだろう。
だが、消費者庁の権限の具体的内容になると、なかなか容易ではない。議論も迷走している。
最大の問題は、消費者庁にどの法律や権限を移管するかをめぐり、調整がつかないことだ。
消費者行政は、経済産業省、農林水産省、厚生労働省など10省庁にまたがる。法律は、特定商取引法、日本農林規格(JAS)法、食品衛生法など約30もある。
岸田消費者行政相は、関係閣僚との折衝において、権限や組織などの分離をしぶる各省庁の抵抗にあっている。
金融庁が所管する貸金業法については、法改正などの企画立案を消費者庁と共同所管とし、業者の検査・監督機能は、金融庁が引き続き行うことで大筋合意した。
今後、他省庁との折衝でも、同様に、消費者庁と権限を共管とするケースが増えるのかどうか。仮にそうならば、権限の移管は中途半端に終わる可能性もある。
そうかといって、法律や組織などを移管した消費者庁の組織が肥大化して、“巨大官庁”になっては困る。
肝心なのは、消費者トラブルが起きた時などに、消費者庁が、各省庁に対して、迅速な措置を促せるかどうかだ。
新組織ができても、機能や権限が不明確だったり、他省庁と十分に連携が取れなかったりすれば、とても司令塔の役割を果たすことはできない。かえって、混乱を招くだろう。
より身近な問題としては、消費者窓口の一本化や、地方の消費者行政の強化が求められる。これらの具体化が急務だ。
国民は、安心して安全に暮らせることを期待している。首相には指導力を発揮してもらいたい。
(2008年6月8日01時50分 読売新聞)
クーリングオフ
これができれば勝率ほぼ100%!その条件とは
方法は
疑問にお答えします。急いで見ないと解約できなくなっちゃうかも
中途解約
エステ、外国語教室、家庭教師・学習塾なら途中からでもやめられる!これから先、要らないものにはビタ一文払わない
契約解除・取消
クーリングオフも中途解約もできそうにないよ・・・。そんなときは相手の落ち度を探しましょう。きっとどこかに勝機が見出せるはず
お問い合わせ無料
まずはとにかくご相談下さい
株式会社しくみ作り研究所
村中信介
〒450-0002
名古屋市中村区名駅2丁目45-19桑山ビル4F
電話番号:052-589-6832
FAX番号:052-541-3223
e-mail:info@shikumidukuri.co.jp(通常のお問い合わせ)
お電話での受付時間:09:00~18:00(月~金)09:00~15:00(土)
福田首相が来年度の創設を目指す消費者庁はどんな組織になるのか。
消費者行政の司令塔として、うまく機能させるには、入念な制度設計が欠かせない。
有識者で構成する政府の消費者行政推進会議が、5月末に消費者庁の素案を示した。
素案は、商品・金融などの「取引」と、製品・食品などの「安全」と「表示」に関する法律を、各省庁から消費者庁に移管するとした。消費者庁に、各省庁への勧告権や総合調整の権限を付与することも盛り込んだ。
食品偽装や冷凍ギョーザ事件などでは、縦割りの消費者行政の弊害がでた。消費者重視へ、行政を大きく転換させることを意図したものだろう。
だが、消費者庁の権限の具体的内容になると、なかなか容易ではない。議論も迷走している。
最大の問題は、消費者庁にどの法律や権限を移管するかをめぐり、調整がつかないことだ。
消費者行政は、経済産業省、農林水産省、厚生労働省など10省庁にまたがる。法律は、特定商取引法、日本農林規格(JAS)法、食品衛生法など約30もある。
岸田消費者行政相は、関係閣僚との折衝において、権限や組織などの分離をしぶる各省庁の抵抗にあっている。
金融庁が所管する貸金業法については、法改正などの企画立案を消費者庁と共同所管とし、業者の検査・監督機能は、金融庁が引き続き行うことで大筋合意した。
今後、他省庁との折衝でも、同様に、消費者庁と権限を共管とするケースが増えるのかどうか。仮にそうならば、権限の移管は中途半端に終わる可能性もある。
そうかといって、法律や組織などを移管した消費者庁の組織が肥大化して、“巨大官庁”になっては困る。
肝心なのは、消費者トラブルが起きた時などに、消費者庁が、各省庁に対して、迅速な措置を促せるかどうかだ。
新組織ができても、機能や権限が不明確だったり、他省庁と十分に連携が取れなかったりすれば、とても司令塔の役割を果たすことはできない。かえって、混乱を招くだろう。
より身近な問題としては、消費者窓口の一本化や、地方の消費者行政の強化が求められる。これらの具体化が急務だ。
国民は、安心して安全に暮らせることを期待している。首相には指導力を発揮してもらいたい。
(2008年6月8日01時50分 読売新聞)
クーリングオフ

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株式会社しくみ作り研究所
村中信介
〒450-0002
名古屋市中村区名駅2丁目45-19桑山ビル4F
電話番号:052-589-6832
FAX番号:052-541-3223
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NOVA社員の3億円、無断で会社側の口座に…元社長指示
NOVA社員の3億円、無断で会社側の口座に…元社長指示
経営破たんした英会話学校「NOVA」(破産手続き中)の社員が福利厚生のために積み立てていた約3億円が昨年7月、社員側に無断で関連会社を通じNOVAの口座に移されていたことが、大阪府警の調べでわかった。
猿橋(さはし)望・元社長(56)の指示だったといい、経営難だった同社で解約者への返還金などに充てられたとみられる。府警は、猿橋元社長が流用した疑いがあるとみて、業務上横領容疑での立件を視野に本格捜査を始めた。
NOVA関係者や捜査関係者によると、同社内には、社員の互助組織「社友会」があり、社内旅行費や慶弔費などに充てる目的で、毎月、給料から天引きして会費を徴収。積立金の口座は経理担当者が管理していたが、実際に支出される機会は少なく、残高は約3億円に達していたという。
昨 年6月、NOVAは、勧誘時の虚偽説明や誇大広告などの違法行為を理由に、国から一部業務停止命令を受け、影響で契約を解除する受講生が続出。積立金の移 動があったのは、この翌月で、約3億円全額が、元社長がオーナーだった関連会社「ノヴァ企画」を経由し、NOVA本体の口座に流れていた。
府警は、NOVAが同10月に会社更生法の適用を申請した後、捜査に着手。事情聴取に、当時の経理担当者は積立金の移動を猿橋元社長から命じられた、と説明したという。
猿橋元社長の代理人の弁護士は「積立金が結果的に流用されたのは事実だが、資金繰りの見通しがつけば返すつもりだった」としている。
NOVAの事業は現在、学習塾運営会社「ジー・エデュケーション」(名古屋市)に引き継がれている。(2008年6月5日03時07分 読売新聞)
どうも潰れるべくして潰れた会社なのですね。
経営破たんした英会話学校「NOVA」(破産手続き中)の社員が福利厚生のために積み立てていた約3億円が昨年7月、社員側に無断で関連会社を通じNOVAの口座に移されていたことが、大阪府警の調べでわかった。
猿橋(さはし)望・元社長(56)の指示だったといい、経営難だった同社で解約者への返還金などに充てられたとみられる。府警は、猿橋元社長が流用した疑いがあるとみて、業務上横領容疑での立件を視野に本格捜査を始めた。
NOVA関係者や捜査関係者によると、同社内には、社員の互助組織「社友会」があり、社内旅行費や慶弔費などに充てる目的で、毎月、給料から天引きして会費を徴収。積立金の口座は経理担当者が管理していたが、実際に支出される機会は少なく、残高は約3億円に達していたという。
昨 年6月、NOVAは、勧誘時の虚偽説明や誇大広告などの違法行為を理由に、国から一部業務停止命令を受け、影響で契約を解除する受講生が続出。積立金の移 動があったのは、この翌月で、約3億円全額が、元社長がオーナーだった関連会社「ノヴァ企画」を経由し、NOVA本体の口座に流れていた。
府警は、NOVAが同10月に会社更生法の適用を申請した後、捜査に着手。事情聴取に、当時の経理担当者は積立金の移動を猿橋元社長から命じられた、と説明したという。
猿橋元社長の代理人の弁護士は「積立金が結果的に流用されたのは事実だが、資金繰りの見通しがつけば返すつもりだった」としている。
NOVAの事業は現在、学習塾運営会社「ジー・エデュケーション」(名古屋市)に引き継がれている。(2008年6月5日03時07分 読売新聞)
どうも潰れるべくして潰れた会社なのですね。
旧NOVA商法を否定した最高裁
旧NOVA商法を否定した最高裁
訴訟が示唆する消費者庁の必要条件
「いっぱい聞けて、いっぱいしゃべれる」と派手な宣伝文句で急拡大していた英会話学校の旧NOVAが経営破綻に追い込まれたのは、2007年10 月のことだった。翌11月に破産手続きが始まり、事業は譲渡された。そのきっかけは、2007年4月の最高裁判所の判決だ。最高裁は、受講者が解約金の返還を求めた訴訟で、消費者保護を目的とした「特定商取引法」に違反するとして返還を命じた。
判決で返還を命じた解約金はわずか約31万円。タダ同然の弁護士報酬でNOVAを追い詰めたのは、企業法務が専門で、消費者問題とは無縁だった1 人の弁護士だった。しかも、最高裁で争う前の高等裁判所でのNOVA敗訴を伝えたのはマスコミではなく、インターネットのブログだった。解約トラブルに悩む消費者がネットで情報交換していたことが、旧NOVAを窮地に立たせた。
特定商品取引法を所管するのは経済産業省。もともと経産省は、旧NOVAの解約方法を追認していた。行政と強く結びついた業者の手法を否定した司法判断。その舞台裏には、現在設立構想が議論される「消費者庁」に必要な条件が示されている。
「なかなか解約をさせてくれない」
都内で法律事務所を構える杉浦幸彦弁護士に、こんな相談を持ちかけたのは、同じテニススクールに通うテニス仲間の女性だった。ビルの屋上にあるテニススクールの階下に英会話学校の旧NOVAがあり、その女性は海外旅行を楽しむ目的で英会話の受講を始めた。
ところが、何度申し込んでもすんなり受講の予約が取れない。業を煮やして中途解約しようと窓口に出向いたところ、担当者の対応に驚かされた。
「そういうことだから英語ができるようにならない」
「もうちょっと頑張りなさい」
「意気地がない」
解約の手続きに時間がかかるとも言われた。いったん捕まえた客は離さないとばかりに、執拗に継続を迫られたという。
当時のNOVAの受講契約は、あらかじめ購入したレッスンポイントをもとに受講を予約しなければならなかった。1ポイントの購入単価は、1200円から3800円まで3倍以上の開きがあった。一度に登録するポイントが多いほど、単価は下がる仕組みだった。
単価は割引されるものの、NOVAにしてみれば受講者にたくさんポイントを購入させた方が収益は増える。そのためか、将来ポイントをどれくらい使うか分からない受講者にも「多く買わないと損だ」と強く勧誘した。
2 人で連れ立ってパンフレットをもらいに行っただけでも、1人ずつブースに分けて「まじめにやるなら長時間受講しないといけない」などと個別に勧誘していた と杉浦弁護士は言う。こうした勧誘方法でNOVAは、受講者同士で情報を共有させないようにしながら、契約規定など詳しい情報は知らせなかった。
当時のNOVAは、一定期間が経過するとポイントが使われたと見なす「みなし使用」の規定があった。しかし、自分のポイント残高はクレジットカード式の磁 気カードに記録されていて、いくつポイントが残っているか窓口で聞かなければ分からない。いつ予約が可能かも、受付で聞いたり、電話で問い合わせなければ ならない。ポイントの有効期限が近づくと「キャンペーン中なので安くする」と更新を迫った。なかなか予約ができないと苦情を言うと「ほかの皆さんは、そん なことはありません」「あなただけが、わがまま言っても仕方がない」と、まるでクレーマー扱いされたという。
「解約の返金額は1円も譲らない」
中途解約しようとすると、契約時よりも高い単価で使用済みポイントの金額が計算された。こうして返金されるのは、高い単価で計算された使用済みポイント分 と、解除手数料などを差し引いた残額だった。いわば見かけの安さで受講者を引き寄せながら、実態は中途解約をさせにくい仕組みだった。
相談を受けた杉浦弁護士は当初、NOVAの担当者に善処を求める程度のつもりで、解約の返金額を引き上げるように交渉した。しかし担当者は、1円も譲らな いという強硬な態度を示した。弁護士という立場から訴訟を示唆しても、訴訟にはならないだろうと、あしらうように言われた。請求額はたかだか数十万円。訴 訟費用の方が高くつくのは明白で、タカをくくられていたようだった。
どうして返金額が少なくなるのか詳しい情報を求めても、担当者は規 則で一切出せないという一点張り。しかも一方的に伝えてきた金額に、今後は一切文句を言わないという趣旨の書面に一筆入れるよう求めてきた。解約トラブル が起きても、証拠を残さずに闇に葬ろうとする意図が感じられた。こうした対応に、解約した多くの元受講者が泣き寝入りしていただろうことは想像に難くな かった。実際に消費者相談の窓口に尋ねてみると、国民生活センターや全国の相談窓口に解約トラブルの苦情が殺到していた。
弁護士が判決にこだわったワケ
杉浦弁護士が対処法を探ろうと契約書をよく見ると、特定商取引法という記述があった。もともと杉浦弁護士は企業法務が専門だったため、「特定商取引法とい う法律があることすら知らなかった」という。弁護士会の図書館で手に取ったのが、特定商取引法の法案作成に関わった弁護士による「特定商取引法ハンドブッ ク」だった。
ハンドブックによれば、使っていないポイントのみなし使用を定めたNOVAの規定は、問題があることが分かった。さらに、経済産業省がNOVAの精算方法について合理的な場合があるという法解釈を示しているとして、経産省の解釈を批判するような記述があった。
消費者相談の窓口には苦情が殺到していたものの、当時起こされていた訴訟は1件だけ。「これは、何かがおかしい」。杉浦弁護士は、強気な姿勢のNOVAの背後には経産省の法解釈があると推測した。
杉浦弁護士は、こうした隠れた事情を明らかにする目的から訴訟を起こし、「何としても社会に足跡を残すしかない」と考えたという。そのためには、裁判の途中で決して和解に応じずに、裁判所の判決をもらう必要があった。
請求棄却で実質勝訴
杉浦弁護士が初めて提訴したのは2003年10月。特定商取引法に基づいて未使用ポイントなど約50万円の返還請求に加えて、慰謝料を含め96万円を請求する訴訟を東京地方裁判所に起こした。
その依頼者の女性の場合、当初NOVAが提示した解約の返金額は約26万円だった。ところが裁判が始まると、NOVAはあっさりと未使用ポイントと利息分の約50万円を返すと言い出した。相手の言い分通りの解約金を払うことで、さっさと和解をして訴訟を終わらせるのが狙いのようだった。
しかし杉浦弁護士は受け取りを拒否し、判決をもらうことにこだわった。その戦略は功を奏した。東京地裁は2004年7月、NOVAのみなし使用規定は、特定商取引法に違反するという判断を下したのだ。
ただ、訴訟の中でNOVAは、既に原告の主張通りの解約金を供託していた。このため判決は、解約金は弁済されたとして、原告の請求は棄却した。こうして形式上は原告側の敗訴判決であるものの、みなし使用は違反という判断を勝ち取ったことになり、原告側の実質勝訴だった。
杉 浦弁護士は、この判決を公にしようと記者会見を開いた。NOVAが元受講生の請求通りに返金したことが新聞記事になり、一部ではNOVAが敗訴したと伝え られた。慌てたNOVAは適時開示情報で、「一部の新聞に誤解を招くような記事が掲載された」と火消しに躍起になった。約48万人とされる受講者の間に、 解約金の返還請求が飛び火するのを恐れたようだ。
こうしたNOVAの対応に怒りが収まらなかった杉浦弁護士は、第2 弾の訴訟に踏み切った。今度は、最初の依頼者の友人を原告として、約31万円の解約金返還を求める訴訟に持ち込んだ。争点は、中途解約すると使用済みポイ ントが契約時よりも高い単価で精算されてしまい、解約の返金額が少なくなるというNOVAの手法だった。
被告のNOVA側は、有名事務所の弁護士を揃えて弁護団を結成。対する原告は、先に紹介した「特定商取引法ハンドブック」の著者の弁護士らが加勢したものの、基本的に代理人は杉浦弁護士1人だった。結果は、地裁で原告が勝ち、2005年7月に東京高等裁判所でも勝訴した。
NOVA は裁判で、少しのポイントを購入した受講生と、ポイントを多く購入して中途解約した受講生との公平を図る必要があると強調して、割引制度を否定するものだ と主張した。しかし裁判所は、割引制度がありながら中途解約しても契約時と同じ単価で精算している同業者もあるので、割引制度の否定にはならないと指摘。 NOVAの主張は筋違いだと断じた。NOVAは、これを不服として上告した。
ネットで広まった判決文
と ころが、この高裁判決は、ほとんどマスコミが報道しなかった。杉浦弁護士は、いずれ判決が知られるようになるだろうと思っていたのに、どこも取り上げてく れない。途方に暮れてネットで「NOVA 中途解約」と検索してみると、ある個人のブログに「NOVAの主張が通らなかったことしか分かりませんでした」 と書かれていた。
そこで自ら判決を報告する書き込みをし、事務所のホームページを開設して判決文を公開した。するとブログには書き込みが殺到。元受講生の駆け込み寺のようになった。それは、NOVAが最も恐れていた事態だった。
英会話教室としては後発組で、大幅な値引きで受講生を集めていた旧NOVA。外 国語会話教室で構成する業界団体には頑なに入ろうとしなかったという。業界団体に入ってしまうと、業界の自主ルールが適用されて、独自の手法が認められな くなる恐れがあったためと見られている。むしろ当時のNOVAは、業界トップの自らがスタンダードだと盛んに宣伝していた。
日経ビジネス2007年3月5日号の「敗軍の将、兵を語る」に登場した旧NOVAの猿橋望前社長は、中途解約の精算方法について特定商取引法に具体的な規 定がないとして、「当社は以前から経済産業省など行政と話し合い、明確なルールを作ってきました」と語った。国会議員を引き連れて、経産省のお墨付きをも らっていると地方自治体にアピールしていたという報道もされた。地方自治体が、消費者の苦情を受けて調査に乗り出そうとしていたからだ。
中途解約の精算は契約時の単価で
2007年4月、最高裁が示した判断は単純明快だった。特定商取引法に照らして、NOVAの清算方法は顧客の解約の自由を制限するもので、中途解約は契約時の単価で清算するのが相当だとする判断を示した。
訴訟でNOVAは、NHKのテレビ受信料やJRの定期券などの長期契約の割引制度を例に持ち出して、正当性を主張した。しかし「特定商取引法ハンドブッ ク」の著者の1人で、消費者法に詳しい齋藤雅弘弁護士によると、民法の例外規定である特定商取引法は、NHKやJRの契約内容を対象にしていないので、同 じ土俵で議論できるものではない。
特定商取引法の対象は、いわゆる消費者トラブルが多くなりがちな業種に絞られてい る。現在はエステサロンや外国語会話教室、学習塾、家庭教師派遣、結婚情報サービス、パソコン教室の6業種に限られる。対象業種は法律で大まかな考え方が 定められ、しかも政令で指定しなければならない。齋藤弁護士は、旧NOVAへの最高裁判決が、ほかの業種に影響を与えることはまずないと指摘する。
「消費者庁」への教訓
たった1人の弁護士が奮闘し、いわば最高裁に独自のビジネスモデルを否定された格好の旧NOVA。杉浦弁護士によると、最高裁の判決までは、どちらかとい えば身勝手な消費者がいい加減なことを言っているというような批判的な見方が多かったという。しかし実態は大幅な割引で勧誘しながら、なかなか受講できな かった。
「NOVAの手法は、時代を見誤っていたと思う」と杉浦弁護士は振り返る。齋藤弁護士も「ルールを僭脱するのではなく、ルールを守ることで顧客の信頼を得ることが企業にとって不可欠。独り善がりでは、最終的に生き残れなってしまうという典型例」と言う。
NOVA事件は、議論が進む「消費者庁」設置構想に大きな影響を与えている。とりわけ解約時の消費者の苦情が多かったにもかかわらず、経産省がお墨付きを与えていたため、最高裁で敗訴が確定して方針転換するまで被害が膨らんでしまったからだ。
経産省は、最高裁判決から2カ月後に、受講予約が取りにくいのに「いつでも予約を入れられる」と事実と異なる説明で勧誘する違反行為があったとして一部業 務停止命令を出した。もし行政がいち早く消費者の苦情に対応していれば、解約トラブルの拡大は食い止められたかもしれない。NOVAも経営破綻に至る前 に、方針転換を促されていたかもしれないと見られている。
旧NOVAが経営破綻した後、各地に被害弁護団が組織された。しかし杉浦弁護士は、こうした弁護団とは一部を除きほとんど関わりがない。杉浦弁護士は「消費者問題はスピードが勝負」と語る。旧NOVAのように業者が経営破綻してしまうと、返ってくるお金は少なくなる可能性がある。弁護団を組織している間に、業者側が突然約款を変えたりすれば、うやむやにされてしまう恐れもあった。
むしろネットなどで国民に監視させて、トラブルの拡大を防ぐ情報が一気に広まる仕組みが必要だと杉浦弁護士は言う。消費者庁が機能するためには、英国の公正取引庁(OFT)のように、苦情の申し出があれば、90日以内に報告書を出さなければならないといった迅速さが必要という指摘もある。得られる教訓は多い。
あきらめずに最後まで戦われた杉浦弁護士と原告の方々に敬意を表します。
諦めたらそれで終わり、です。
訴訟が示唆する消費者庁の必要条件
「いっぱい聞けて、いっぱいしゃべれる」と派手な宣伝文句で急拡大していた英会話学校の旧NOVAが経営破綻に追い込まれたのは、2007年10 月のことだった。翌11月に破産手続きが始まり、事業は譲渡された。そのきっかけは、2007年4月の最高裁判所の判決だ。最高裁は、受講者が解約金の返還を求めた訴訟で、消費者保護を目的とした「特定商取引法」に違反するとして返還を命じた。
判決で返還を命じた解約金はわずか約31万円。タダ同然の弁護士報酬でNOVAを追い詰めたのは、企業法務が専門で、消費者問題とは無縁だった1 人の弁護士だった。しかも、最高裁で争う前の高等裁判所でのNOVA敗訴を伝えたのはマスコミではなく、インターネットのブログだった。解約トラブルに悩む消費者がネットで情報交換していたことが、旧NOVAを窮地に立たせた。
特定商品取引法を所管するのは経済産業省。もともと経産省は、旧NOVAの解約方法を追認していた。行政と強く結びついた業者の手法を否定した司法判断。その舞台裏には、現在設立構想が議論される「消費者庁」に必要な条件が示されている。
「なかなか解約をさせてくれない」
都内で法律事務所を構える杉浦幸彦弁護士に、こんな相談を持ちかけたのは、同じテニススクールに通うテニス仲間の女性だった。ビルの屋上にあるテニススクールの階下に英会話学校の旧NOVAがあり、その女性は海外旅行を楽しむ目的で英会話の受講を始めた。
ところが、何度申し込んでもすんなり受講の予約が取れない。業を煮やして中途解約しようと窓口に出向いたところ、担当者の対応に驚かされた。
「そういうことだから英語ができるようにならない」
「もうちょっと頑張りなさい」
「意気地がない」
解約の手続きに時間がかかるとも言われた。いったん捕まえた客は離さないとばかりに、執拗に継続を迫られたという。
当時のNOVAの受講契約は、あらかじめ購入したレッスンポイントをもとに受講を予約しなければならなかった。1ポイントの購入単価は、1200円から3800円まで3倍以上の開きがあった。一度に登録するポイントが多いほど、単価は下がる仕組みだった。
単価は割引されるものの、NOVAにしてみれば受講者にたくさんポイントを購入させた方が収益は増える。そのためか、将来ポイントをどれくらい使うか分からない受講者にも「多く買わないと損だ」と強く勧誘した。
2 人で連れ立ってパンフレットをもらいに行っただけでも、1人ずつブースに分けて「まじめにやるなら長時間受講しないといけない」などと個別に勧誘していた と杉浦弁護士は言う。こうした勧誘方法でNOVAは、受講者同士で情報を共有させないようにしながら、契約規定など詳しい情報は知らせなかった。
当時のNOVAは、一定期間が経過するとポイントが使われたと見なす「みなし使用」の規定があった。しかし、自分のポイント残高はクレジットカード式の磁 気カードに記録されていて、いくつポイントが残っているか窓口で聞かなければ分からない。いつ予約が可能かも、受付で聞いたり、電話で問い合わせなければ ならない。ポイントの有効期限が近づくと「キャンペーン中なので安くする」と更新を迫った。なかなか予約ができないと苦情を言うと「ほかの皆さんは、そん なことはありません」「あなただけが、わがまま言っても仕方がない」と、まるでクレーマー扱いされたという。
「解約の返金額は1円も譲らない」
中途解約しようとすると、契約時よりも高い単価で使用済みポイントの金額が計算された。こうして返金されるのは、高い単価で計算された使用済みポイント分 と、解除手数料などを差し引いた残額だった。いわば見かけの安さで受講者を引き寄せながら、実態は中途解約をさせにくい仕組みだった。
相談を受けた杉浦弁護士は当初、NOVAの担当者に善処を求める程度のつもりで、解約の返金額を引き上げるように交渉した。しかし担当者は、1円も譲らな いという強硬な態度を示した。弁護士という立場から訴訟を示唆しても、訴訟にはならないだろうと、あしらうように言われた。請求額はたかだか数十万円。訴 訟費用の方が高くつくのは明白で、タカをくくられていたようだった。
どうして返金額が少なくなるのか詳しい情報を求めても、担当者は規 則で一切出せないという一点張り。しかも一方的に伝えてきた金額に、今後は一切文句を言わないという趣旨の書面に一筆入れるよう求めてきた。解約トラブル が起きても、証拠を残さずに闇に葬ろうとする意図が感じられた。こうした対応に、解約した多くの元受講者が泣き寝入りしていただろうことは想像に難くな かった。実際に消費者相談の窓口に尋ねてみると、国民生活センターや全国の相談窓口に解約トラブルの苦情が殺到していた。
弁護士が判決にこだわったワケ
杉浦弁護士が対処法を探ろうと契約書をよく見ると、特定商取引法という記述があった。もともと杉浦弁護士は企業法務が専門だったため、「特定商取引法とい う法律があることすら知らなかった」という。弁護士会の図書館で手に取ったのが、特定商取引法の法案作成に関わった弁護士による「特定商取引法ハンドブッ ク」だった。
ハンドブックによれば、使っていないポイントのみなし使用を定めたNOVAの規定は、問題があることが分かった。さらに、経済産業省がNOVAの精算方法について合理的な場合があるという法解釈を示しているとして、経産省の解釈を批判するような記述があった。
消費者相談の窓口には苦情が殺到していたものの、当時起こされていた訴訟は1件だけ。「これは、何かがおかしい」。杉浦弁護士は、強気な姿勢のNOVAの背後には経産省の法解釈があると推測した。
杉浦弁護士は、こうした隠れた事情を明らかにする目的から訴訟を起こし、「何としても社会に足跡を残すしかない」と考えたという。そのためには、裁判の途中で決して和解に応じずに、裁判所の判決をもらう必要があった。
請求棄却で実質勝訴
杉浦弁護士が初めて提訴したのは2003年10月。特定商取引法に基づいて未使用ポイントなど約50万円の返還請求に加えて、慰謝料を含め96万円を請求する訴訟を東京地方裁判所に起こした。
その依頼者の女性の場合、当初NOVAが提示した解約の返金額は約26万円だった。ところが裁判が始まると、NOVAはあっさりと未使用ポイントと利息分の約50万円を返すと言い出した。相手の言い分通りの解約金を払うことで、さっさと和解をして訴訟を終わらせるのが狙いのようだった。
しかし杉浦弁護士は受け取りを拒否し、判決をもらうことにこだわった。その戦略は功を奏した。東京地裁は2004年7月、NOVAのみなし使用規定は、特定商取引法に違反するという判断を下したのだ。
ただ、訴訟の中でNOVAは、既に原告の主張通りの解約金を供託していた。このため判決は、解約金は弁済されたとして、原告の請求は棄却した。こうして形式上は原告側の敗訴判決であるものの、みなし使用は違反という判断を勝ち取ったことになり、原告側の実質勝訴だった。
杉 浦弁護士は、この判決を公にしようと記者会見を開いた。NOVAが元受講生の請求通りに返金したことが新聞記事になり、一部ではNOVAが敗訴したと伝え られた。慌てたNOVAは適時開示情報で、「一部の新聞に誤解を招くような記事が掲載された」と火消しに躍起になった。約48万人とされる受講者の間に、 解約金の返還請求が飛び火するのを恐れたようだ。
こうしたNOVAの対応に怒りが収まらなかった杉浦弁護士は、第2 弾の訴訟に踏み切った。今度は、最初の依頼者の友人を原告として、約31万円の解約金返還を求める訴訟に持ち込んだ。争点は、中途解約すると使用済みポイ ントが契約時よりも高い単価で精算されてしまい、解約の返金額が少なくなるというNOVAの手法だった。
被告のNOVA側は、有名事務所の弁護士を揃えて弁護団を結成。対する原告は、先に紹介した「特定商取引法ハンドブック」の著者の弁護士らが加勢したものの、基本的に代理人は杉浦弁護士1人だった。結果は、地裁で原告が勝ち、2005年7月に東京高等裁判所でも勝訴した。
NOVA は裁判で、少しのポイントを購入した受講生と、ポイントを多く購入して中途解約した受講生との公平を図る必要があると強調して、割引制度を否定するものだ と主張した。しかし裁判所は、割引制度がありながら中途解約しても契約時と同じ単価で精算している同業者もあるので、割引制度の否定にはならないと指摘。 NOVAの主張は筋違いだと断じた。NOVAは、これを不服として上告した。
ネットで広まった判決文
と ころが、この高裁判決は、ほとんどマスコミが報道しなかった。杉浦弁護士は、いずれ判決が知られるようになるだろうと思っていたのに、どこも取り上げてく れない。途方に暮れてネットで「NOVA 中途解約」と検索してみると、ある個人のブログに「NOVAの主張が通らなかったことしか分かりませんでした」 と書かれていた。
そこで自ら判決を報告する書き込みをし、事務所のホームページを開設して判決文を公開した。するとブログには書き込みが殺到。元受講生の駆け込み寺のようになった。それは、NOVAが最も恐れていた事態だった。
英会話教室としては後発組で、大幅な値引きで受講生を集めていた旧NOVA。外 国語会話教室で構成する業界団体には頑なに入ろうとしなかったという。業界団体に入ってしまうと、業界の自主ルールが適用されて、独自の手法が認められな くなる恐れがあったためと見られている。むしろ当時のNOVAは、業界トップの自らがスタンダードだと盛んに宣伝していた。
日経ビジネス2007年3月5日号の「敗軍の将、兵を語る」に登場した旧NOVAの猿橋望前社長は、中途解約の精算方法について特定商取引法に具体的な規 定がないとして、「当社は以前から経済産業省など行政と話し合い、明確なルールを作ってきました」と語った。国会議員を引き連れて、経産省のお墨付きをも らっていると地方自治体にアピールしていたという報道もされた。地方自治体が、消費者の苦情を受けて調査に乗り出そうとしていたからだ。
中途解約の精算は契約時の単価で
2007年4月、最高裁が示した判断は単純明快だった。特定商取引法に照らして、NOVAの清算方法は顧客の解約の自由を制限するもので、中途解約は契約時の単価で清算するのが相当だとする判断を示した。
訴訟でNOVAは、NHKのテレビ受信料やJRの定期券などの長期契約の割引制度を例に持ち出して、正当性を主張した。しかし「特定商取引法ハンドブッ ク」の著者の1人で、消費者法に詳しい齋藤雅弘弁護士によると、民法の例外規定である特定商取引法は、NHKやJRの契約内容を対象にしていないので、同 じ土俵で議論できるものではない。
特定商取引法の対象は、いわゆる消費者トラブルが多くなりがちな業種に絞られてい る。現在はエステサロンや外国語会話教室、学習塾、家庭教師派遣、結婚情報サービス、パソコン教室の6業種に限られる。対象業種は法律で大まかな考え方が 定められ、しかも政令で指定しなければならない。齋藤弁護士は、旧NOVAへの最高裁判決が、ほかの業種に影響を与えることはまずないと指摘する。
「消費者庁」への教訓
たった1人の弁護士が奮闘し、いわば最高裁に独自のビジネスモデルを否定された格好の旧NOVA。杉浦弁護士によると、最高裁の判決までは、どちらかとい えば身勝手な消費者がいい加減なことを言っているというような批判的な見方が多かったという。しかし実態は大幅な割引で勧誘しながら、なかなか受講できな かった。
「NOVAの手法は、時代を見誤っていたと思う」と杉浦弁護士は振り返る。齋藤弁護士も「ルールを僭脱するのではなく、ルールを守ることで顧客の信頼を得ることが企業にとって不可欠。独り善がりでは、最終的に生き残れなってしまうという典型例」と言う。
NOVA事件は、議論が進む「消費者庁」設置構想に大きな影響を与えている。とりわけ解約時の消費者の苦情が多かったにもかかわらず、経産省がお墨付きを与えていたため、最高裁で敗訴が確定して方針転換するまで被害が膨らんでしまったからだ。
経産省は、最高裁判決から2カ月後に、受講予約が取りにくいのに「いつでも予約を入れられる」と事実と異なる説明で勧誘する違反行為があったとして一部業 務停止命令を出した。もし行政がいち早く消費者の苦情に対応していれば、解約トラブルの拡大は食い止められたかもしれない。NOVAも経営破綻に至る前 に、方針転換を促されていたかもしれないと見られている。
旧NOVAが経営破綻した後、各地に被害弁護団が組織された。しかし杉浦弁護士は、こうした弁護団とは一部を除きほとんど関わりがない。杉浦弁護士は「消費者問題はスピードが勝負」と語る。旧NOVAのように業者が経営破綻してしまうと、返ってくるお金は少なくなる可能性がある。弁護団を組織している間に、業者側が突然約款を変えたりすれば、うやむやにされてしまう恐れもあった。
むしろネットなどで国民に監視させて、トラブルの拡大を防ぐ情報が一気に広まる仕組みが必要だと杉浦弁護士は言う。消費者庁が機能するためには、英国の公正取引庁(OFT)のように、苦情の申し出があれば、90日以内に報告書を出さなければならないといった迅速さが必要という指摘もある。得られる教訓は多い。
あきらめずに最後まで戦われた杉浦弁護士と原告の方々に敬意を表します。
諦めたらそれで終わり、です。