ヒプノセラピストの風湖です。



 ある朝早く、私の生徒さんが私に泣きながら電話をかけてきました。



 その生徒さんの旦那さんは、数年前からうつ病になり、なかなかよくなりませんでした。



 彼女は毎日旦那さんのことが心配で、かたときも旦那さんの行動が頭から離れることがなく、私はたびたび相談にのっていたのです。



 「先生、助けてください!

 主人が毎日死にたいって言うんです。

 ついに昨日の夜中に暴れて、家の中はめちゃくちゃです。

 どうしたらいいのかわかりません。」



 私はこう答えました。



 「あなたが旦那さんのことを気にしすぎることで、逆に彼の行動を悪化させることがあるのです。

 過干渉は、悪い結果しか呼びません。」



 人はなぜ、心配事が頭から離れないのでしょうか。



 それは、毎日心配することを続けているうちに、心配することが習慣になり、それが固定化してしまったからです。



 いったんマイナスの心が固定化すると、暗いことばかりを考え、楽しいことが思い浮かばなくなってしまいます。



 その結果、現実がマイナスの方向に触れてしまうのです。



 良寛和尚は、このような歌を歌っています。



 「さしあたる そのことばかり 思へただ 返らぬ昔 知らぬ行く末」