ヒプノセラピストの風湖です。



 ある中年女性が私にこう言いました。



 「私の息子は子供の頃から活発な子で、成績優秀でしたし、スポーツでも活躍しました。



 でも大学生の途中から家に引きこもるようになり、30歳を過ぎても仕事をしようとしません。



 親としてどうしたらいいのか分かりません。」



 私はその女性に、ある例え話をしました。



 「竹の種子が地上から芽を出すには長い年月が必要になります。



 最初の4年間、目に見える成長は見られません。



 しかし、5年目でようやく地上から芽を出すと、わずか6週間で30メートルくらいにまで伸びるのです。



 では、竹が30メートル伸びるのに要した期間は4年でしょうか?

 それとも6週間でしょうか?」



 人の成長も、竹の成長と似ています。



 子供の頃、短期間で急成長を遂げることがあっても、実はそれは本当の成長ではありません。



 長い人生の中で、日々の生活の中の試練に直面したときに、それを成長の糧にするのが人間なのです。



 つまり人が成長するのは、他人がどうこうするのではなく、本人が慣れ親しんだものを捨てて、未知のものを追い求めようと決めた時なのです。