ヒプノセラピストの風湖です。




 1778年、ドイツ人の医師、フリードリッヒ・アントン・メスメルは、パリに診療所を開きました。

 メスメルの治療法はとても変わっていて、患者と膝が触れ合うくらいの距離で座り、両手で患者の両方の親指を押し、患者の目をじっと見ることから始まりました。




 そして、患者の肩から腕に沿って手を動かし、それから患者の横隔膜の下あたりを指で押し、時々は何時間もそこに手を置いたままでいたと言います。

 多くの患者達は、はじめはとても奇妙な感覚を覚えますが、その治療で病気が治ると思いながら続けていると、やがてぼーっとしてきてリラックスした心理状態になります。




 そしてふと患者が気がつくと、メスメルの姿は消えていて、病気は治っていたのだと言います。

 メスメルはこの治療法を「動物磁気」と呼びましたが、これは最近の化学から見れば、根拠のないインチキだと言う人もいます。

 しかし治療率は非常に高く、国王ルイ16世もよくかかったと言われているのです。