心理カウンセラーの風湖です。
「以心伝心」という言葉があります。
これは、文字や言葉を使わなくても、お互いの心と心で通じ合うことを意味する四字熟語です。
もともとは禅宗の言葉で、「仏法の奥義を、言葉や文字を借りずに師の心から弟子の心に伝える」ことを意味した言葉です。
そう言われると、自分の心が相手に伝わっているような気がして人前に出ると緊張してしまうという人はとても多いです。
「私は、考えていることが態度に出やすい」とか、「緊張すると顔が真っ赤になって恥ずかしい」と思っている人もいますが、当然ながら人の気持ちは目に見えません。
しかし、なんとなく私達は、自分の心は相手に見抜かれているのではないかと、時に不安に思ってしまうことがあります。
最近では、言葉で言わなくても態度で伝わるだろうと勘違いして、コミュニケーションを積極的にとらない人も増えてきています。
こういう思い込みは、「透明性幻想」とよばれています。
もちろんそんなことはなく、相手にはあなたの心など見抜けるはずもないのです。
人の心を読むのはものすごく難しいので、そんなに簡単に考えていることが伝わるわけがないのですね。