心理カウンセラーの風湖です。




 「私の友人は、重い病気を患っていて、余命数ヶ月と診断されました。

 彼は、死ぬ前に高校生の頃に好きだった思い出の女性にもう一度会いたいと言っています。

 私はなんとか、彼の希望を叶えてあげたいと思い、毎日探し回っているのです。」




 先日、ある年配の男性が私のところにやってきて、力強くそう語りました。

 そう語る彼の一生懸命な眼差しは、どんなに年齢を重ねていても「目の前の友人の望みを叶えたい」という情熱のエネルギーで溢れていました。




 「これから誰をどうやって喜ばせようか」

 と考えることは、パワーの根源そのものです。

 誰かを喜ばせる方法は数多くありますし、そのアイディアは尽きることがありません。

 相手を喜ばせることに自らが喜びを感じる。

 それは、心から湧き上がる情熱に変わるのです。




 この湧き上がる力のことを「他喜力」というそうです。

 人は、自分のためのことならすぐに諦めてしまうことでも、愛する誰かのためならば、損得勘定無しでもやりたいと願います。

 そんな体中に湧き上がるエネルギーが心の中に充満し、やがて自分に自信が持てるようになるのです。