心理カウンセラーの風湖です。




 人の劣等感は、過去の失敗から学ぶ材料にもなります。

 人は他の動物達とは違い、鋭い爪や牙を持っていないので、とても弱い存在です。

 だからこそ人は、過去の失敗をいつまでも覚えていて、常に緊張し、将来に備えようとするのです。




 この脳の働きは、さまざまな歴史や文化を生みました。

 たとえば人が集まり組織を作ること、それに伴って家や屋根をつくること、衣服の発明、交通や規則など、すべては人間が他の動物に比べて弱く、劣等感を持っているからこその発展です。




 つまり、身体が不自由な人も、精神的に悩みを抱えている人も、それを病気と捉えるのではなく、むしろ健康的で正常な成長のエンジンにすることも可能なのです。




 文明、文化、芸術、化学、物理、そして心理学。

 人類の歴史とは、すなわち誰もが持っている劣等感をバネにして、その可能性を現実化させてきたプロセスなのです。