心理カウンセラーの風湖です。




 心理学に「ヤマアラシのジレンマ」という言葉があります。

 これは、哲学者のショーペンハウエル氏の寓話に基づいて心理学者フロイトが作ったとされる、人間関係の距離感に関する例えです。




 あらゆる人間関係において、その距離が近づきすぎると相手を傷つけてしまいますから、お互いの関係が悪くなってしまいます。

 かといって距離をとりすぎると、疎遠になり、親密な関係が築けません。




 しかし、多くの人は、知らず知らずのうちに相手に近づき過ぎてしまい、相手の悪い事ばかりが気になり、相手の心に土足で踏み込んでしまいます。

 「あなたのためを思って」と言い訳をしながら、相手の行動を自分の思い通りにコントロールしようとするのです。




 あらゆる人間関係の悩みは、他人の心に土足で踏み込むことにより起こります。

 しかし、私たちにできるのは「命令」ではなく「支援」です。

 いつでも支援する準備だけをして、あとは適切な距離感で見守り、待つことはとても大事なことなのです。