心理カウンセラーの風湖です。
大人になると私達は、誰かに叱られるということはそんなにありませんし、あまり気持ちの良いものではありません。
自分の方が悪いと認めていても、叱られるのはやはり嫌です。
また反対に、叱る方もあまり気持ちの良いものではありません。
ですから、叱ることは最後までなるべくしたくないと様子を見るのが人情というものです。
私が若い頃、家庭や職場では、親や上司から叱られるということは日常茶飯事でした。
人は叱られて一人前になると信じられていましたのだと思います。
しかし最近では、社員が仕事でミスなどをしたことに対して上司が叱ると、次の日からストレスを理由に会社に来なくなって、やがて辞めてしまう社員も増えていると聞きました。
それならば叱らなければ良いのでしょうか。
しかし、何があっても叱りもしなければ叱られもしなかったとしたら、だんだんと真剣さが薄れ、ものの見方や考え方が甘くなってしまい、そこには弱さと、簡単に崩れる心が生まれてきてしまうでしょう。
もちろん、感情に任せて叱るのは良くないけれど、ものの道理や適当さについて真剣に叱ることは、ときにはしなくてはならないことなのではないでしょうか。
そして、やはり「叱られる」ということは、人の成長のための「気づき」を与えるひとつの大事な扉なのだと考えることは大事なことなのです。
叱られてはじめて「世の中は自分の思い通りにはならないし、簡単に考えると危険だ」と認識することができるのです。
ですから、場合によっては叱り、叱られることに対して、逃げずに真剣に向き合っていくことも大切なのだと思います。