心理カウンセラーの風湖です。




 あなたは、お金が原因で夢を諦めたことはありますか?




 先日、ある30代の女性が私のところにやってきました。




 彼女は小さい頃から絵を描くことが好きで、画家になるのが夢でした。

 高校生のとき、美大に進みたいと両親に相談したところ、両親に大反対をされてしまったそうです。




 「美大なんてとてもお金がかかるのよ。しかも、将来の仕事の道があるの?

 あなたに画家で生きていく才能があるとは思えない。」

 「美大の授業料、いくらするか知ってるの?そんなにお金をかける意味はあるの?」




 「どうしてあなたの夢のためにお父さんとお母さんが我慢をしなくてはいけないの?」




 彼女が育った家庭にはあまりお金の余裕がなく、共働きで生活を真面目にコツコツと働いて生活を成り立たせていたと言います。




 その両親の言葉は、なにかの弾みだったのかもしれませんが、その時から彼女は画家になる夢を口にすることはありませんでした。

 それからは、大好きな絵を描くことまでもやめてしまいました。




 「私は絵を描くことで食べていく才能はない。」

 「私が自分の好きなことをしようとすると、大切な人を傷つけてしまう。」




 それから彼女は、地元の短大を卒業して、地元の会社に就職します。




 「お金がかかることは一切せず、毎日同じ仕事をして淡々と生きることにも慣れて来ました。

 今は趣味でイラストを描いたり、たまにはキャンバスに絵を描くこともしています。」




 そう言って彼女は、優しく笑っていましたが、やはりどこか寂しそうな表情をしていました。




 人生は、「あの時、もしも」の繰り返しです。

 あなたが今生きている現実は、自分の選んだ選択の積み重ねなのです。




 しかし、もしも「お金」が原因で夢を諦めてしまったのであれば、今からでも遅くありませんから、その情熱のエネルギーに命を吹き込んで欲しいと私は思います。