心理カウンセラーの風湖です。




 美容院や会社、近所の人との会話など、自分は雑談が苦手だという悩みをお持ちの人は多いと思います。




 そんな人の悩みは、「話を続けられない」とか、「盛り上げられない」とか、「面白い話が思い浮かばない」という自分へのイメージをお持ちの方が多いようです。




 もちろん、そのような人も雑談にストレスを感じているでしょう。

 しかしその反対に、雑談が苦手だと言う人の中には、「つい、喋り過ぎてしまう」という悩みをお持ちの方も実はとても多いのです。




 喋り過ぎてしまうという人は、おそらく自分はあまりしゃべりたくないのに、なにを話していいのか整理できないまま混乱しながら話をしているので、言わなくてもよい事まで言ってしまい、後で後悔してしまいます。




 ではなぜ、しゃべりたくないのにしゃべり続けてしまうのでしょうか。




 その理由はふたつあります。

 ひとつは「承認要求」、もうひとつは「沈黙への恐怖」です。




 「承認要求」は、自分に自信がないため、無意識に自分を「価値のある人間」だと思ってもらいたい、つまり好かれたいとか嫌われたくないと強く思いすぎてしまい、ついつい自分を大きく見せようとするのです。




 「沈黙への恐怖」は、沈黙を極端に恐れるあまり、はじめは相手を観察しながら話しているのですが、だんだん相手からポジティブな反応が出るまで、延々と話題や表現を変えながらなんとか話を続けて間を持たせようとしてしまう、無意識からくる行動です。




 いずれも、「しゃべりすぎて落ち込む」という悩みは、無意識レベルの自己肯定感の低さから生まれることが多いのですね。




 コミュニケーションでは、まずは相手の話を聞くことがとても大切です。

 これは、多くの人が聞いたことがあるし、実感していることなのではないでしょうか。




 自分を大きく見せようとして、無理することはありませんし、沈黙を怖がることはありません。

 「話したければ話して、話したくなければ話さない」くらいのスタンスで、丁度良いバランスなのではないかと私は思います。