心理カウンセラーの風湖です。
すべての人間関係において、相手を「愛する」とは、どういうことなのでしょうか。
東洋思想に大きな影響を与え続けている、孔子の「論語」の中で、孔子の最高道徳として語られるのが「仁」です。
「仁」とは、慈悲心、仁愛などの意味を持ちます。
その言葉の意味は、思いやり、慈しみのこと。
特に儒教の根本理念として、自他の隔てをおかず、全てのものに対して親しみ、慈しみ、思いやりの心が、「仁」なのです。
そして「仁」という字は、「人二人」と書きます。
それは、人と人が二人で寄り添っているという風にも感じます。
愛するという概念に深い意味があるとすれば、1番はじめにあるのは「仁」であるのではないかと思います。
もちろん、その人に何かをしてあげたり、言葉をかけてあげたりすることも愛の形ではあります。
しかし究極的に行き着く愛の形というのは、やはり「仁」、つまりなにもできなくても、声をかけてあげられなくても、そばにいてあげたいと願うことなのではないでしょうか。
そばにいてあげるとは、必ずしも時間的、距離的にいつも一緒にいるということだけではなく、精神的にそばにいて、心の支えになってあげるということです。
お互いにそばにいたいと思うこと。
近くにいたいと願うこと。
それが「愛する」の究極の姿なのかもしれません。