心理カウンセラーの風湖です。




 「本当は学校に行きたいんですけど、クラスのほとんどの人からイジメられていて、行けなくなってしまいました。」




 最近では、小学生や中学生がカウンセリングに来る例もたくさんあります。

 子供の親が、不登校になった我が子の心のケアをしてほしいとカウンセリングに連れて来てくださるのです。




 「じゃあ、あなたはどうしたい?」

 と、私が聞くと、

 「うーん…。」

 と、首を傾げます。




 私は基本的に不登校が100%悪いことだとは思っていません。

 しかし、多くの親や子供達は、学校にはなにがなんでも行かなくてはならないものだと思っているのです。




 ですから子供達は、学校に行けない自分は「悪いことをしているダメな人間だ」と、自分を責めてしまい、他人からなにを言われているのかを気にして、外に出ることが出来なくなってしまうのです。




 しかし子供には、学校生活や友達関係を過ごす中でいろんな状況を体験して傷つき、母親にも先生にも言えないことはたくさんあります。

 そんな風に誰にも言えないことがある中で、その状況を全部知っているのはその子1人だけなのです。




 「あなたがどういう結論を出したとしても、私はあなたの味方だから、ずっとあなたを応援しているよ。安心してね。」

 私がそう言うと、子供達はホッとしたように笑顔を見せてくれます。




 親のスタンスとして、この子を思い通りにする、あるいは他の子供のように学校に行かせることが絶対的に正しいのだ、と、思い込むことはやめた方がいいと思います。




 問題ははじめから何もないのに、問題だ、問題だと言っているのは、親は子供に対して気に入らない、気に入らないと言っているだけなのだと思います。

 それが子供を傷つけることもあるのです。




 本来なら子供は、友達と一緒に楽しく学校に行きたくて行きたくて仕方がないのです。

 それが今は少し上手くいかないだけ。




 そんなときに、優しさと温かさ、それに何より安心感を子供達に与えてあげられる社会であって欲しいと思います。