心理カウンセラーの風湖です。
「栴檀は双葉より芳し」(せんだんはふたばよりかんばし)
という言葉があります。
栴檀という植物は、芽が出てきたときからすでに非常に良い匂いがする、という意味の言葉です。
つまり、「大成する者は、小さい頃から優れているものである」ということのたとえです。
「女は3界に家なし」(おんなはさんがいにいえなし)
という言葉もあります。
女は幼少のときは親に、嫁に行ってからは夫に、老いては子に従うものだから、広い世界のどこにも身を落ち着ける場所がない。
という意味の言葉です。
どちらも全く根拠のない、誰かの「個人的な感想に過ぎない」言葉ですし、最近ではあまり聞かれない言葉ですが、過去にそのような言い伝えがあったということは、人々にそう信じられていたということですよね。
もしかすると、まだこのような言葉を信じて、その思い込みに左右されて生きていらっしゃる方も多くいるのかもしれません。
言葉というものは、「昔からの言い伝え」や、「多くの人が信じて使っているものが正しい」という性質を持っています。
しかし、たとえば「新しい」という言葉は、「新たしい」が正解です。
「うさを晴らす」という言葉は、「うさを下げる」が正しい使い方なのです。
それはきっと、長い歴史の中で誰かが言い間違えた言葉がそのまま伝わっているのでしょう。
塩分をたくさん含んだ食事をとりすぎると血圧が上がる、ということを言われますが、これも科学食品、塩化ナトリウムのことを指して「塩」と言っているだけで、海からとれた塩(海塩)の場合とは少し違います。
このように、常識がひっくり返されることは、世の中にはけっこうありますから、冷静に考えてみると「常識」だと思われることは、実は「非常識」だということもたくさんあるのです。
そんな「言葉」に振り回されて、自分のやりたいことまで諦めてしまわないように、自分の心に正直に、まっすぐ生きて欲しいなと私は思います。