心理カウンセラーの風湖です。




 「ジキル博士とハイド氏」という物語を知っているでしょうか。




 善良な人間であったジキル博士が、ある時自分の人格から悪の側面を切り離す薬を発明し、その薬を飲んでハイド氏に変身するというお話です。




 このお話がとても心に響くのは、人間の心理に基づいているからかもしれません。

 つまり、実は私達はみんなジキル博士とハイド氏のような異なる顔を自分の中に持っているのです。




 これは、カール・グスタフ・ユングという心理学者によって生み出された分析心理学のひとつです。

 その用語として「ペルソナ」と「シャドウ」という言葉で表されています。




 「ペルソナ」は表の顔、「シャドウ」は裏の顔と言うとわかりやすいでしょうか。

 人はプライベートで関わる相手に合わせたり、仕事に対する姿勢など、TPOに応じていくつもの「ペルソナ」を使い分けているのです。




 そして、「シャドウ」は、普段は抑え込んでいる一面です。

 ユング心理学では、人間は必ず表の顔と正反対の裏の顔を備えていると考えられています。




 やはり人生には、このペルソナの使い分けが大切なのです。

 しかしこれは八方美人とか、ぶりっ子になれと言っているのではありません。




 ペルソナの使い分けとはつまり、環境への適応です。

 社会情勢や環境の変化など、人は常に新しい環境と向き合わなくてはならない時が多いのです。




 そんなときに、過去の肩書きに対するこだわりや古い価値観や信念が強すぎると、時代の流れについていけなくなってしまいますから、自分で自分を苦しめてしまいます。




 自分の可能性を広げるためには、やさまざまな自分の姿があっていいんだと認めると、いろんな発見があって、面白いのかもしれませんね。