心理カウンセラーの風湖です。




 2人の靴屋さんのお話です。

 2人の靴屋さんがある国へ行きました。

 その国の人達は、すべての国民が靴を履いていなくて裸足でした。




 それを見たAさんが、こう言いました。

 「ダメだ。この国では靴は売れない。」

 もう1人、Bさんはこう言いました。

 「この国には無限の市場が広がっている。」




 これは、ビジネスなどを学ぶ人達の中ではとても有名な話なのですが、AさんかBさんか、どちらが正解でどういう捉え方をするべきだという話ではないのだと思います。




 このような「どちらを選択するべきなのか」とか、「どういう解決策をとるべきか」いう問題は、自己啓発本やセミナーなどでもよく出てきて、それについて考えさせられたりしますが、そういう時に自分が選んだ方法が正しいのか正しくないのかを考え過ぎると、自分の選択に自信をなくしてしまう原因になります。




 それはとても危険なことです。

 現象はどうであっても、否定的にとりたい方は否定的にとるし、前向きにとりたい方は前向きにとります。

 自分で正しいと思えるほうの捉え方を選んで、その解決策を考えていけば、それが正解なのだと思います。




 いろんな選択をするときに、マイナスだと思うことをプラス思考に置き換えればよいというのではありません。

 どちらが正しいとかを考え過ぎると、人はなにもできなくなってしまうし、自分に自信がなくなってしまいます。




 「こうするべき」という正解はありません。

 自分の考え方を肯定して、信じて進めばそれはその人にとって正解なのです。

 一般的に「これが常識だ」という答えは、この世にはなにひとつありません。




 自分の人生は、自分のものです。

 「私」が全部決めていいのです。

 幸も不幸も、勝ちも負けも、成功も失敗も、敵も味方も、誰かが判定するのではなく、全部自分が決めることなのです。




 しかし、私は「自己中心的になれ」と言っているのではありません。

 この意味が分かると、人は自分の意見に自信を持ち、堂々と行動することができますから、ほとんどの悩み苦しみから解放されるのではないかと思います。