心理カウンセラーの風湖です。




 今から2500年前、お釈迦様は信者の人達に「今日、ただ今、この刹那を大事にして生きなさい」と言われたそうです。




 「刹那」というのは「弾指」といって、親指と人差し指をパチンと鳴らす短い時間の中に、さらに56の刹那が入っているということです。

 その短い時間を56で割ると、1刹那は今の単位にすれば0.013秒くらいにあたるそうです。




 「今日、ただ今」というのはこの時間、今の時刻のことです。

 「刹那」の意味を辞書で調べてみると、「極めて短い時間、瞬間、最も短い時間の単位」と、載っています。




 そして「刹那主義」という言葉もあって、刹那主義とは、「過去も将来も考えず、現在の瞬間の感情のままに生きようとする考え方」のことです。




 つまり、過去のことを悔やむ必要がない、未来のことも心配する必要がない。ただ、今この一瞬一瞬、刹那を大事にして生きることのみ、それだけを大事にして生きることなのだ、というお釈迦様の教えなのです。




 目の前にいる人を大事に思うことを、「せつない」と言いますよね。

 それは恋愛関係だけでなく、「せつない」とは地球上のすべての生き物を大切に想うことなのです。




 一人一人が今、目の前にいる人が私の人生においていちばん大事だと思うことが、「刹那主義者」ということなのかもしれません。




 今、人生の時間の流れとともに私達の目の前に現れている現象に対して、あれこれと感想を言うのではなく、まずは自分の中に受け入れて、この一瞬一瞬をとても大事に抱きしめながら生きていきたいと私は思います。