心理カウンセラーの風湖です。




 我が子に中学校受験をさせたいと、小学校の低学年の頃から塾に通わせる親がいます。




 それ自体は別に悪いことではありませんが、それに対して時間もお金も必要以上にかけてしまうと、だんだん心の視野が狭くなってしまうこともあります。








 そんな大変な受験に合格した、ある中学生の子供を持つご夫婦から、こんな相談を受けました。




 「息子が、学校のレベルが高くてついていけないので、転校したいと言い出しました。

 どうしたらいいのでしょう。」




 その学校は名門校で、その息子さんにとっては授業がとても難しいらしく、周りの人についていけないと感じているのだそうで、最近は学校にも行きたがらなくなってしまったのだとか。

 しかしそのご夫婦は、「せっかく合格できたのだから」と、息子を説得しているのだそうです。




 「息子さんの希望通りにさせてあげればよいと思いますよ。」と言うと、「でも、今の学校は将来良い大学に入れるのです。」と、言います。




 「将来、良い大学に入れるのであれば、今現在の息子さんが悩み苦しんでいてもいいのですか?」

 私がそう言うと、そのご夫婦は黙ってしまいました。




 幸せには、さまざまな形があります。

 親が子供の未来を勝手に想像して、「これが幸せなんだ。」と、親の言う通りに子供を押し込めないほうがいいのではないでしょうか。





 自分の人生を楽しく、いざというときに頑張ることができる子供を育てることは、とても大切なことです。

 しかし、子供は、親が果たせなかった夢の代わりを生きてくれる存在では無いのだということに、早く気がついて欲しいと思います。