心理カウンセラーの風湖です。
常に人の悩みに携わっていると、最近の傾向として、家族間の問題が9割であるとわかります。
ステイホームの影響からか、家族のしがらみ、親子、ファミリーという関係をどう捉えるかという問題で、すごく悩んでいる方が増えてきました。
自分の中で家族というものを特別視さえしなければ、人間関係の悩み、苦しみのほとんどはないかもしれないと思うほど、家族関係の悩みは誰もが持っていると思います。
フランスの作家、ジョルジュ・シムノンの作品の中にこういう言葉が出てきます。
「この世に愛というものがなければ、犯罪のほとんどは起きなかったろうに」
つまり、人間の愛や心の優しさが、犯罪を呼ぶのだというのです。
これを家族にあてはめると、家族の誰かに抱いている殺意や憎しみは、相手に対する愛情にほかならないということがわかります。
ですから、「家族だけは絶対に大事にしなければならない」と思ってそう捉えていると、このギャップに大変苦しむことになるのです。
もちろん、家族は大切です。
しかし、あなたの近くにいる他人も同じように大事なのです。
家族を大事にするのと同じ距離感で、他人にも接するということが理解できるようになると、家族のしがらみに縛られることがだんだん少なくなってきます。
それは、家族関係をないがしろにしてもいいと言っているのではなく、まずは自分の心を大切にしてほしいと私は思うのです。