心理カウンセラーの風湖です。
最近では、「カウンセラーになりたい」と、心理学を学んでくださる方も多くなりました。
そう言われる方の理由のひとつは、「友人に悩みを相談されることが多いから」なのだそうです。
海外の人達に比べて日本人は、いろんな悩みをプロのカウンセラーに相談した経験のある人はあまりいないのではないかと思います。
どちらかといえば、悩みのニュアンスを変えて身近な人に相談する人のほうが多いのかもしれません。
もしかしたら誰でも、悩みを相談された経験はあるのかもしれません。
しかし誰かに悩みを相談された時に、少し気をつけて欲しいことがあります。
よくある問題点は、頼まれないことを自分独自の判断で「何かをしてあげなければ」と思ってしまい、ついつい余計な言葉で相手を傷つけてしまうことなのです。
カウンセリングというのは、その大部分が「傾聴」つまり話を聞くことのみです。
頼まれてもないのに自分の判断で、「この人にはこの言葉が必要なんだろう」という思い込みで関わってしまうことは、トラブルのもとになるのです。
そうなることが多いので、カウンセラーになりたい人は、カウンセリングの技術を学び、経験することはとても大切なことなのです。
あまりに気負いすぎて、前のめりに相手を励ましたりなだめたりすることは、「小さな親切、大きなお世話」となり、相談を受けた側である自分自身を落ち込ませてしまうことにもなりかねません。
カウンセリングだけではなく、友人にしても家族にしても、人間関係のコツは「近寄りすぎないこと」です。
大切なことは、距離感だと私は思います。
少し難しいことですが、誰でも自分の悩みの背景にある自分独自の世界観に無断で踏み込まれることには怒りを感じるものです。
ですから、まずは家族など身近な人に対して、すぐに自分の意見を言うのではなく、相手を俯瞰的に見る練習をすることからはじめてみることも必要なことなのではないかと思います。