心理カウンセラーの風湖です。




 「仏」という言葉は、すべての束縛から解けた人、自由になった人という意味からきた言葉なのだそうです。

 「ほどけた人」から日本語の「ほとけ」が始まったらしいのです。




 だからといって、自由になりたいから仕事を辞めてもいい、学校に行かなくてもいい、すべてを捨ててもいいというわけではありません。




 いろいろなことにこだわらなくてよい。

 執着しなくてよい。

 という意味の言葉です。

 そうすれば、悩み苦しみがなくなるのです。




 ある夫婦は、毎日喧嘩ばかりでした。

 家の中での相手の言動のなにもかもが気に障り、お互いに文句ばかりを言い合っていました。




 「もう離婚したい。どんな努力をしてもあの人を許すことはできません。」

 そう言って、奥様は怒りに震えていました。




 「許す」という言葉もまた、「ゆるます」からきた言葉です。

 そして、相手を許すことができない人は、実は自分を許してあげられない人なのです。




 「夫はこうでなければならない」

 「妻はこうするべき」

 という信念にこだわりすぎていませんか?

 相手のことを批判ばかりすること自体、相手に執着しているということに気づいていますか?




 たとえば、相手と自分との間にピーンと張った系が常に引っ張られていると、少しの刺激でプチンと切れてしまいます。




 それとは反対に、どんなに長くても2人の間に糸がダラリと垂れ下がっていると、少しの刺激ではあまり切れることはありません。




 辞めたい、別れたい、縁を切りたいと思うのは簡単なことです。

 しかし、人との関係は、ピーンと張り詰めていた気持ちを少しだけ緩めてみると、相手の気持ちが見えてくるのかもしれません。




 「嫌い」な人に対して、そこに執着しないで「ありがとう」と言ってみましょう。

 相手を少し許せるようになれたら、きっと自分も許すことができるのかもしれません。