心理カウンセラーの風湖です。




 こんな相談がありました。

 35歳の男性なのですが、月曜日になると頭が痛くなり、体が重く、熱が出ることもあり、会社に行きたくないと言うのです。




 お話を伺うと、彼は会社の部下に嫌われていて、全く彼のいうことを聞かない部下ばかりなのでいつも不快な思いをするのだそうです。

 そこで怒り、怒鳴り、威圧的にものを言い続けた結果、自己嫌悪の塊になってしまったのだと言うのです。




 「もう、会社を辞めて、楽になりたいんです。」

 そう言って、ガックリと肩を落としていました。




 「あなたが辞めたいのは会社ではなく、会社にいる時の自分の態度をやめたいんですよね。」

 と、私が尋ねると、

 「そうなんです。仕事が嫌いなわけではないんです。ですから、本当はやめたくない。養わなくてはいけない家族もいるのです。」

 どうして良いのかわからないのです…。と、彼はそう答えました。




 それから、こんなやり取りが続きました。



 「あなたは自分が好きですか?」

 「いいえ、好きではありません。」

 「では、部下の社員は好きですか?」

 「いいえ、好きではありません。」




 「自分で自分のことを嫌いなのだから、相手が自分を好きになってくれるわけがないと、あなたは思っていませんか。」




 自己肯定感が低い人は、自分に自信がないという気持ちを相手に投影している場合が多いのです。

 この悩みの場合、本当は彼の部下達は彼のことをが嫌いなわけではないのかもしれないのに、そうだと思い込んでしまっていることで、逆に自分を苦しめているのです。




 人間関係は、「思い込み」が状況を難しくさせている場合が多いと思います。




 つまり、自分に自信がある人は、「自分はみんなに好かれている」と思いますし、自信がない人は、「私はみんなに嫌われている」と思うのです。




 人間関係が上手くいかないと落胆する前に、まずはポジティブな考え方になり、自分を好きになるところからはじめてみてくださいね。