心理カウンセラーの風湖です。
人は、生きているとき「夢」を持ちます。
「こうなりたい」
「あの人みたいに生きたい」
「あれがほしい」
「こうならなければ、嫌だ。」
それはとてもいいことなのですが、現実の今の自分をかえりみず「夢」にばかり執着してしまうと、人はなんとかそれを実現させるために躍起になってしまいます。
その夢が現実的に叶うことならばなにも問題は無いのですが、難しいことであればあるほど私達はそれが良い目標であり、素晴らしいことであると思い込み、なんとか無理矢理にでも実現させようとするのです。
そしていくら頑張っても努力しても必死になってもそれを実現出来ないと思ったとき、人は落ち込んだり自己嫌悪に陥ったりしてしまうのです。
しかし、人間の価値は、高い目標を達成したとか業績を残したとか、そのように目に見えることだけで簡単に決まるものではないと思います。
自分の目標を成し遂げるというのも、ある程度のところで自分自身で満足するのならば良いと思いますが、自分をいたわらずに無理をして実現させた夢は、それは自己満足でしかないのかもしれません。
それに対して、たとえ自分の夢とは少し違っていたとしても、誰かからなにかを頼まれて、それをしてあげた時に、その人から喜ばれた時の人の喜びは、自分の夢を叶えることとは比べられないほどの魂が震えるような喜びになるのです。
その充実感を味わってしまったら、もう自分の夢を叶えることは、どうでも良くなってしまうのかもしれません。
それくらいに、「自分の存在が喜ばれたときの喜び」というのは大きなものなのですね。
あなたの夢は、実はあなたの夢なのではなく、誰かの真似をしたいだけなのかもしれません。
誰かのものを抱え込んでいるから体は重い。
誰かのものを抱え込んでいるから気持ちも重いのかもしれないのです。
重たいものは、出来るだけ下ろして、荷物そのものをなくしたほうがどうやら良さそうですね。