心理カウンセラーの風湖です。
いつもせかせかと焦ってばかりいる人がいます。
見ているだけでも忙しそうです。
実は、そんな人にはそれなりの深い理由があるのです。
たとえばその人が子供の頃、親とか先生とか周囲の人達に「早くしなさい。」とか、「グズグズするな。」などとプレッシャーをかけられてばかりいたとします。
その結果、その子はいつも焦ってしまうようになります。
しかし、そんな時に限って言われた通りにはできません。
焦れば焦るほどミスをしたり、本当はできるのにできなくなってしまいます。
そのように困っていた時に、さらに、「お前はこんなこともできないのか。」と、親から言われ、恐怖を感じてしまったとしたら…。
もしもそうだったとしたら、その子は立派な社会人になっても、まだ小さい頃と同じように心はいつも焦ってしまうのです。
それは、子供の頃にいつも感じていた周囲の人達からのプレッシャーから解放されることがなく、大人になった今でも心の中にいつまでもいる、内面化した親に自分が支配されてしまっているのですね。
つまり、なにもしないでそのままの自分でいると、また父親に「グズグズするな」と言われるのではないかと思うと怖くて、本当の自分に気がつくのが不安で、常に焦るのがくせになってしまい、やがて焦っている方が安心できるようになってしまうのです。
今ではすっかり大人になって、違った人間関係の中にいるのに、周囲の人との関わり方は小さい頃と同じままなのです。
体は現在を生きているのに、心は過去のあの時のまま立ち止まっているのかもしれません。
大人になってから人間関係が難しいと感じるのは、小さい頃の人間関係が関係している場合が多いのですね。
つまり、大人になった今、対人関係でいろいろと悩んでいる人は、幼児期に大切だった人からの束縛から未だに逃れられないということになります。
しかし、小さい頃からずっと親でさえ信じられないと思ってきた人が、大人になって無理矢理「人を信じよう!」と思っても無理がありますよね。
そのように悩む人の最大の心理的課題は、誰でもいいからありのままの自分を認めてくれて、本来の自分に気づき、人を信じられるようになることがとても大事なことなのです。
人を心から信じ、自分を委ねることができた時、あなたはやっとリラックスして、まったく焦ることなく人生を歩むことができるようになるのだと思います。