心理カウンセラーの風湖です。
天才ジョッキーの武豊さんは、どんなに無名の馬でも、頼まれたときに日程が空いていれば、馬や状況を選ばすに全部乗るのだそうです。
中世ヨーロッパの宮廷音楽家、モーツァルトやショパン、あるいはレオナルド・ダ・ヴィンチやミケランジェロという画家や彫刻家も、王家や王族の依頼に応じて、素晴らしい作品を作りました。
ご存知のとおりそれらの作品は、何世紀にも受け継がれ、現在も多くの人に愛されています。
しかしそんな世界的に有名な芸術家でも、自分の意思で作ったものは、ほとんど残っていないそうなのです。
考えてみると私も、自分で「これがやりたい」と目標を持って努力して頑張ってきた仕事と、誰かに「こうして欲しい」と頼まれて行った仕事と、どちらが自分で成果を感じられたかというと、だんぜん頼まれた仕事の方が確実に身を結びましたし、遥かに面白いとわかりました。
やはり仕事というのは、自分だけの理想ではなく、誰かに喜んでもらえてはじめて自分もやりがいを感じますし、なんらかの報酬を手にすることができるのだと思います。
そして、そんな仕事をして私の元に来る報酬は、私のものではなく単なる預かり物だと思うのです。
ですから、ため込むことをしないで使うことでさらにその価値が高まるような気がします。
つまり自分も仕事もお金も、喜ばれる存在になりたいと願っているのです。
喜ばれる存在として生きることとは、誰かと比べたり争ったり抜きん出ようとしたりすることではありません。
人生の中で心から楽しくて幸せだと思う瞬間は、周りの人達からいろいろたくさん頼まれて、それを引き受けてやっていき、笑顔が見れてその人自身も成長し変わっていく。
頼まれたことを次々とやって喜ばれて受け取ってまた与えて…。
それが私の人生のすべてで、喜びなのです。