心理カウンセラーの風湖です。




 水には形がありません。

 水があるところにいると人が安心するのは、水が私達に「人間の本当に望む姿」を教えてくれているような気がするからかもしれません。




 水は、与えられた環境に合わせて形を変えます。




 丸いコップに入れると丸くなります。

 製氷機に入れるとカチンと冷たく固まります。

 川にあれば耐えず流れる川の流れになり、海にあれば大自然となり私達を包みこみます。




 水が身近にあるだけで人は生きられるし、身体を綺麗にできるし、癒されるし、楽しめるし、そして厳しさを教わることもできます。




 ですから水は「ありがたい存在」なのです。

 しかし、当然ながら水は、自ら主張する形を持っていません。

 「こうあるべき」「この姿でなくてはいけない」という価値観もありません。




 その存在はまるで、ただ自分の変幻自在を楽しんでいるかのようにも見えます。




 私達も、

 「自分がなにをしたいのか」

 「どうなっていきたいのか」

 を、考えなければいけないという価値観から、少し離れてみるとよいかのもしれません。




 私達は、子供の頃から「将来の夢」を持ち、それに向かって努力することが望ましいと学校や親から教わって成長してきました。

 もちろん、それはとても素晴らしいことだと思います。




 しかし、「自分の目的を決める」ことで怒りや悲しみを感じるような人生を送ってきたのであれば、少しそういうことをやめてみて、「自分が動く時が来たら動く」というような自由で広い心で生きていくことも楽で楽しいのではないでしょうか。




 それはもしかしたら、「正しさ」よりもその先にある「新しい世界」という、次のステージに踏み出す第一歩なのかもしれませんね。