心理カウンセラーの風湖です。



 ある女性が、私に、こんなことを言いました。




 「私の夫や姑は、いつもネガティブな言葉ばかり言います。なにがあってもいつも不平不満や文句ばかりでウンザリです。」




 家族の中に愚痴や不満ばかり言う人がいると、それを周りで聞いている人にまで嫌な気持ちが移ってしまい、なんだか気分が悪くなってしまいますよね。




 いくら家族とはいえ、他人を変えるのはとても難しいものです。

 なかなか変わってくれませんし、仮に変わってくれたとしても、自分の思い通りに変わってはくれません。




 ですから、自分の周りにいる人を「自分の思い通りに、自分が気にいるように変えたい」と思うと、人間関係は上手くいかなくなってしまいます。




 すべての人間関係を上手くいかせるためには、「その人は、そういう人である」と、その人の「よくない」と思うところも解釈を変えて、丸ごと受け入れてしまうことです。




 つまり、目の前の人は、「自分の考え方、生き方、価値観とは違うのだ。」ということを認めるのです。

 ですから、自分との意見が食い違ったときに、説得しようとか、理解してもらおうとかは思わない方が良いと思います。




 すると、その女性はこう呟きました。

 「結婚して25年経つのですが、夫を変えるには、まず自分の考え方を変えなくてはいけないのですね。」




 たしかに、自分が変わるほうが夫婦関係は上手く行くと思います。

 しかしそれは、相手を変えるためではありません。



 夫や姑を変える必要などないのです。

 そうではなく、「この人はこういう人だ」と、丸ごと認めてしまえば良いのです。

 そのほうが、たぶん自分も楽だと思います。




 「なぜうちの夫や姑は不平不満ばかり言うのだろう?」と思い、不平不満を言わないように説得し始める妻がいます。




 しかし説得するのではなく、

 「この人はきっと、言いたいことがたくさんあるんだろうな。

 だから、私に聞いて欲しいのかもしれない。

 今は黙って聞いてあげよう。」

 と思って、頷きながら聞いてみてください。




 すると面白いことに、夫は、妻が言いたいことを聞いてくれるので、「受け入れてくれている」と安心して、やがて不平不満を言わなくなっていくのです。




 人間関係を良くするコツは、相手のことをまず認めて、解釈の仕方を変えることから始まるのかもしれませんね。