心理カウンセラーの風湖です。




 お釈迦様が悟った道のりはたくさんありますが、その中のひとつに、「四諦(したい)」という考えがあります。




 それは、「4つ目の諦め」「4つ目の悟り」のことです。

 「諦」という文字には、ある種の心の落ち着きや悟りを示しているそうです。





 ●第一の悟り「苦諦」(くたい)

 「人生は苦悩に満ちている」という悟りです。




 ●第二の悟り「集諦」(じったい)

 「執着が、悩み・苦しみの元である」という悟りです。




 ●第三の悟り「滅諦」(めったい)

 「執着によって悩み・苦しみが存在しているのだから、執着を無くせば、悩み・苦しみはなくなる」という悟りです。




 ●第四の悟り「道諦」(どうたい)

 「悩みや苦しみは、こうでなければならない、ああでなければならない、こうすべきだ、という囚われやこだわりが自分自身を縛り付けている状態なのですから、執着を捨てるということを、日常的に実践していけばよい」という悟りです。




 この四つの悟りを実践することでお釈迦様は、悩みや苦しみから離れ、「解脱」すなわち自由の境地に到達することが出来たのだそうです。





 個性派で知られた女優、故樹木希林さんが、生前の講演会で、

 「私は女優になるためだけに生まれて来たわけではないのよ。だから、私でダメだったら他の女優さんにやってもらえばいい。」

 とおっしゃっていたことを、先日、思い出しました。




 「失敗したらね、そこからがスタートなの。あまり深く考えない。」

 と、笑顔で答えていて、その言葉を聞いていた私もなんだかホッと心が軽くなったような気がしました。




 人の人生は、なにも考えずに時の流れに乗っていくだけで幸せになっていくのです。

 つまり幸せとは、ふと意識して確認すれば、そこにいつでも見つかるものなのです。




 「自分はぜんぜん、たいしたものではない。」




 なにかに思い悩んだ時、私はいつでもこのように意識的に呟くようにしています。





 すると、自分自身のプライドへの執着心を振り返り、手放すことが出来ますから、また新しい道へのスタートラインに立てるような気がするのです。