心理カウンセラーの風湖です。
ある40代の女性の生徒さんからこんな質問をいただきました。
「祈りには、効果があるのですか?」
お話を伺うと、母親が深刻な病気を患われて入院をしてしまい、心配で毎日祈っているのだけれど、不安は消えないとのこと。
「毎日毎日母のために祈っているのですが、治らなかったらと思うと苦しいのです。」
日本人には、初詣やお百度参りなど、なにかあった時に人々が神社などでお祈りをするという風習があります。
仏教徒だけではなく、例えばキリスト教やイスラム教にも礼拝やミサがありますし、神様に祈るという行為は、人間には自然に行われることなのかもしれません。
祈りには、こんな実験があります。
心臓病の専門医、ランドルフ・バード氏が行った実験です。
心臓病の患者393名を対象に、本人にはなにも告げず、誰かに祈ってもらった患者と、祈ってもらわなかった患者とを比較したそうです。
すると、祈ってもらった患者は、祈ってもらわなかった患者よりも症状の改善がよく、投薬量が減ったり、治療の度合いが軽くなったのだそうです。
これは、祈りというものを科学的に証明したわけではありません。
しかし、事実として祈りが患者に影響を与えていることが現象で分かったということです。
物も、私達の思いや気持ちも、この世の中のすべてのものはエネルギーです。
祈りという行為も、そう考えると、ひとつのエネルギー、すなわちなんらかのパワーが潜んでいるのかもしれません。
それでも、
「祈っても受験に合格出来なかった。」
という人もいるでしょう。
そういう人の問題は、一体何なのでしょう?
それは、「執着」なのだといいます。
「執着」とは、なにかを手放したくないという意味ではなく、「結果に執着する」という意味です。
つまり、「こうでなくてはいけない」とか、「このような結果にならないと嫌だ」という強い思いのことです。
執着するということは、自分の信じる力を疑うということになるのです。
執着すると、恐れと不安が湧き起こります。
恐れや不安は、あなたのマインドを閉ざし、潜在意識につながりにくくしてしまいます。
そして、自分の信じる力を疑うということは、自分を信じないということです。
ですから、自分を信じられない人は、願いが叶うという確信が持てないということになるのですね。
「叶うと信じれば叶う。」ということです。
私達の思考は、言葉にすると、そちらに向きます。
ですから、祈る時に何に集中しているのかが、非常に大切になってきます。
祈ることでなにかを実現させたいと願うのならば、まずは自分の力を信じることが大切です。
そのから先は文字通り、「神の領域」なのですから。