心理カウンセラーの風湖です。
コロナ禍の影響で、私達の暮らしは大きく変化し、さまざまな不安が頭をよぎりますね。
実際に、この一年間の間に仕事を減らされたり、解雇になったりした人は、実に90000人を超えているのだそうです。
そんな時代だからなのでしょうか。
最近は「プラス思考」という言葉をよく耳にするようになりました。
「プラス思考」というのは、不幸なことがあっても、ポジティブに捉えれば良いのではないか、という考え方のことです。
しかし、ショックなことや、思いがけないことが起こった時に、すぐにプラス思考にはなかなかなれないものですよね。
ですから、そのような不幸なことが起こった時には、このように考えると、少しは楽になるのかもしれません。
「現象に、幸も不幸もない。もともと現象はゼロである。日常の出来事は、ただ淡々と起きて、過ぎていくだけである。」
何年か前に、ある心理学のセミナーに参加させていただいた時がありました。
そこでお話をしていただいた講師の先生が、末期癌を宣告され、ものすごくショックを受け、悩み、気持ちを落ち着かせるためにあるお寺を訪ねた際に、そこの住職さんにこう言われたのだそうです。
「私達には過去はもうない。未来もまだ来ていない。あるのは、永遠に続く今だけである。」
そして、その話を聞いた講師の先生は、不安の気持ちを切り替えて、今ある命に感謝するようになり、驚いたことに、癌の告知を受けてから30年経つのに、まだ生き続けていますよ、と、笑っていました。
「念」という字は、「今の心」と書きます。
今に感謝して、心を込めて一緒懸命に生きる。
それこそが人生なのですね。
基本的には、「不幸」という現象はなく、ただ自分がそう思っているだけのことなのです。
これに気づくと、私達はかなり楽な人生を送ることができるのではないかと思います。
それでも、自分の目の前に不幸や悲劇が起こった時、しばらくは落ち込んだり、泣いたり、嘆いたりしても良いとは思いますが、それをずーっとやっていても、何の解決方法にもなりません。
今、起きている現象を、「不幸だ、悲劇だ。」と捉えるのも自由である反面、同じ現象でも「嬉しい、楽しい、幸せ」と捉え、さらに「感謝」の気持ちで捉えることも自由なのです。
「これにはなにか、学びがあるはずだ。」
と、捉えるのが「プラス思考」です。
そのように考えることが出来たら、それからはなにがあっても、「どんと来い!」の覚悟で望むことが出来ます。
すると、次に何をするべきなのかが見えて来ますから、とても気持ちが晴れるのではないかと私は思います。