心理カウンセラーの風湖です。
街を歩いていると、実にさまざまな色に染めた髪の毛の色をしている若い人達が目立ちますよね。
そんな風に思っていた時、ある情報番組で、「頭髪に関する校則が古すぎる」との話題を放送していたので、ふと何気なく見ていました。
それは、髪の毛の色が黒くない学生に対して、「髪の色を染めていないという証明書」を、学校へ提出しなければならないという規則が、もう現代には合わないのではないか、という内容でした。
「髪の毛の色によって、その子の価値や人格が変わるわけではないのだから、そんなことで厳しくしなくても良いのではないか。」
と、その番組でインタビューを受けた高校生が答えていました。
私も、髪の毛の色を変えることによって、その人の価値も、人間性も変わるとは思いません。
しかし、そのインタビューに答えていた学生も、髪の毛を明るい色に染めていましたので、なんとなく私は違和感を感じてしまいました。
その高校生が、「染めたほうが楽しい」とか、「自分が明るくなるみたいで面白い」とか言うのであれば納得したのですが、そうでないのなら、髪の毛の色を染める必要は無いのではないかと思ったのです。
私も昔、高校生の頃、その頃流行った髪型にしたくて、パーマをかけた時がありました。
校則で禁止されていたことは分かっていましたが、やはり「髪型であれこれ言われたくない」という生意気なひとりの女の子だったのですね。
その時に、生活指導の成瀬先生に言われた一言が、今でも心に残っています。
「私はあなたに一言言いたい。誰かの言うことを真似するだけなら、オウムでも出来る。誰かのやっていることを真似するだけなら、猿でも出来る。あなたは人間でしょう。人間なら、人間らしい生き方をしなさい。」
その先生の言葉に対して、私は何も言い返すことができませんでした。
そのまま、涙を流しながら教室に帰ったことを思い出します。
私は、髪の毛を染めるとか、パーマをかけるのが悪いとか、そういうことを言いたいのではありません。
ただ、こだわるということ、そういうものに囚われているということが、実は悩みや苦しみのもとになっているのではないかと思うのです。
校則を守ることばかりを生徒に求める学校よりも、時代に順応する生き方とか、その人に合った目標設定などを教えてくれる学校が、これから求められる教育の姿であって欲しいと、私は思います。