心理カウンセラーの風湖です。




 アメリカの作家、オー・ヘンリーの短編小説「賢者の贈り物」は、有名なお話ですね。




 その内容というのは…。




 「若い夫婦が、クリスマスにお互いに贈り物をしようとしますが、どちらもお金がありません。




 妻は、自分の豊かな髪を切って売りました。

 そして、手に入れたお金で、夫が大切にしている金の懐中時計に付けるプラチナ製の鎖を買います。




 ところが、夫は大切にしていた金の懐中時計を売り、妻の豊かな髪のために、彼女が欲しがっていた美しいクシを買って来たのです。




 結局、彼らのプレゼントはどちらもムダになってしまいますが、2人はニッコリと微笑みました。」




 というお話です。




 作者のオー、ヘンリーは、決して恵まれた人生を送った人ではありませんでした。




 3歳で母親を亡くし、叔母によって育てられましたが、15歳で進学を諦め、学業を離れます。




 そのあと、職を転々としますが、銀行員をしながら細々と小説を書き続けていました。




 さらに紆余曲折あって、銀行で横領の疑いをかけられ、刑務所にも入れられてしまいます。




 しかし、妻の危篤を聞きつけ、保釈金をさらに納めて数ヶ月は妻の看病に徹しましたが、甲斐なく妻は亡くなってしまうのです。




 彼の書いた物語は、そんな悲しみと苦しみを経て、生み出されたものでした。




 「賢者の贈り物」には、どんなに貧しく、苦しい生活の中でも愛情を失わなかった夫婦の姿が描かれているのです。




 愛情や思いやりがあれば、どんなに貧しくても苦難が続いても、負けない力が生まれるのではないかと、私は思います。




 私達は、いつか天国へ行く時、持ち帰ることが出来るのは、「自分は本当に楽しかった」という愛の記憶だけですよね。




 ですから、お金や名声や成功を求めるよりも、1番大切な「今、この一瞬の、愛のある人生」を過ごすことを私のこれからの目標にしたいと思っています。