心理カウンセラーの風湖です。



 去年からのコロナ禍の影響で、いろんな変化が皆さんの心の中にもあったと思います。
 

 先日、生徒さんがこんなことを言いながら、ため息をついていました。



 「今は世界的に我慢を強いられている時ですから、自分だけが思い通りにならないわけではないのはわかっています。
 しかし、あれだけ頑張って来た仕事も減らされ、これからどうなってしまうのか、考えるだけで焦ってしまいます。」



 今の時代、わかってはいるのだけれど、なんとなく納得がいかないモヤモヤは、たくさんの方が感じていらっしゃるのかもしれません。



 今まで真面目に、いかに正しく生きていくのかを考えながら働いてきた方にとっては、その価値観まで否定されてしまうような気がして、安心できませんよね。
 



 実は私も若い頃、全てが正しくなければいけないと思っていました。
 ですから、時間はもちろん、いろいろなルールを守ることに自分自身でとても厳しかったのです。



 しかし、自分に厳しい人は、必ずと言っていいぼど他人に対しても厳しくなります。
 そこであるとき私は、他人に対して優しくあるためにはどうしたらいいのかと一生懸命に考えました。



 その結果、最善の方法は、自分が自分に甘くなる事だと気が付きました。
 出来るだけ自分自身がいい加減になってしまうことです。



 もともと私はなんに対してもろくなヤツではないのです。
 なのに、他人からはろくなヤツだと評価されたかった…。
 そこに気がつきました。




 自分に甘くなると、他人に対して厳しく出来るわけがありません。
 そういう方法論を私は発見し、そのように気持ちを変えました。



 もしも私が、「私はこんなに一生懸命やっている。なのにどうして周りの人は一生懸命やってくれないのか。」と、思っていたとしたら、その空間そのものが息苦しくなってしまいますよね。



 たとえば、今の心理学講座でしたら、講師である私がいつも笑顔で楽に肩の力を抜いていると思えば、参加してくださる生徒の皆さんはものすごく楽な気持ちになってくれると思うのです。



 実際、過去の生徒さんのほとんどが、「これほど楽で面白く、明るく開放的な授業は他にない。」と言ってくださっています。



 そういう意味で、私が自分で自分を甘くしたことは、授業の雰囲気作りにも大きな貢献をしたと言って良いのではないかと思います。



 さらに言うと、授業中明らかに寝ていたり、携帯電話を見ていたりという生徒さんも常にいらっしゃいます。
 そういう人に対しても、私は腹を立てたりイライラしたりすることはまったくありません。



 私自身がいつもゆるく、楽に楽しく授業をしていると、誰が何をしていても気にならなくなるのです。



 このように、自分に甘くしていると、決して人に厳しくすることはないということを学びましたし、時代の変化に対応するこだわりの無さも身についたのだと思います。



 コロナの影響を受けて、これからの時代は劇的な変化に対応できる人が求められているのではないかと思います。



 執着を捨て、今までの自分も手放すくらいの覚悟で望むには、もっと自分に甘く、楽天家になるのも良いのではないかと思うのです。