心理カウンセラーの風湖です。
「弱虫」
「弱虫には、人を信じる力がない。
誰かを愛する心もない。
自分を犠牲にする勇気もない。
弱い者に力を振りかざすのが弱虫。
自分をいちばん大切にするのが弱虫。
世界にはたくさんの弱虫がいる。
その誰かに未来を託してはいけない。
それを見過ごす者こそ、
本当の弱虫。」
2019年に公開された、「ジョジョ・ラビット」という映画を知っていますか。
第二次世界大戦下のドイツで暮らす愛国少年が、さまざまな体験を通して成長するさまを、皮肉とユーモアたっぷりに描いた感動作です。
周りから「弱虫」と言われ続け、傷つくジョジョという少年。
でも本当の弱虫は、自分より弱い人間に対して権力を振りかざして威張ることしか出来ない人間のほうなのだ、と、この映画は訴えています。
誰からも賞賛されて生きてきた人達は、誰かから批判的なことを言われると、プライドが傷付き、メンツを潰されたと思って腹を立てます。
頑張って強がっている人は、とても大変です。
ですから、たとえばバカだ、アホだと言われたら、「はい、その通りです。」と言ってすべてを受け入れてしまうことが1番楽な生き方なのではないか、と私は思います。
本当に強い、強靭な精神力とは、傷付かないように身を守ることではなく、つまらない奴だと誤解されるのを恐れることでもなく、罵られてもすべてを受け止めて、
「まったくその通りです。」
と言ってニコニコして生きて行けること。
これが本当に強い心なのではないかと思います。
戦わないから敵が無い。
つまり、無敵なのです。
自分のプライドが邪魔をして、それが出来ずに、他人に向かって感情をついぶつけてしまう人は、本当に弱虫な人ということになるのです。
「すべてを経験せよ。
美も恐怖も。
生き続けよ。
絶望が最後ではない。」
オーストリアのドイツ語詩人、R.M.リルケの詩です。
誰かになにかを言われて傷つくことがあっても、「その言葉を聞くたびに、私は元気になる。」というプログラムを自分の中にセットすることにして、何事もなかったという風に生きて行ける人こそ、本当に強い人なのだと思います。