心理カウンセラーの風湖です。
私がまだ心理カウンセラーとして仕事をはじめたばかりの頃、当時はまだ経験もあまり無かったので、まずは無料のカウンセリングから始めることにしました。
なぜ無料にしたのかというと、本当に悩んでいたり困っている人は、お金を払う余裕もあまりないのではないかと考えたからです。
ですから無料にすれば、本当に困っている人がたくさん来てくれて、私も勉強や経験になると思っていました。
しかし、たとえ無料にしても全くお客様は来ませんでした。
「きっと、私がなんの知識も無いカウンセラーだと思われたのかなぁ。」
と、ガッカリしましたが、実はそれだけが理由ではなかったのです。
私が悩んでいたある時、ある本を読んでいたら、お釈迦様の「托鉢」の話を知りました。
托鉢とは、お坊さんがお鉢を持って家々をまわり、お経を唱えてお布施をいただく行為のことです。
最近では、駅前などに鈴を鳴らしながら立っている托鉢さんもいらっしゃいますよね。
昔、お釈迦様はお弟子さん達に托鉢は裕福な家ではなく、貧しい家をまわるように言われたそうです。
なぜかというと、貧しい人達は自分のことを貧しいと思っているので、他人のために寄付をしてこなかったことが原因で、貧しさから抜け出せないでいたからなのだそうです。
たとえば、コップに入っているお水は、コップが空っぽになってからまた入れますよね。
お水がコップに満杯なのに、まだお水が欲しいと考える人はあまりいません。
それと同様に、お金も「何かを受け取った後に出す。」という考え方ではなく、「出してから何かを受け取る。」という考え方の方が気持ちがよいし、お金を受け取るのも自然なのではないか、というのです。
ですから、托鉢で貧しい人達からお布施をいただくことは、貧しさから彼等を救ってあげることでもあるのだ、と、お釈迦様は言われたのですね。
毎日使うお金も、実は「誰かに喜ばれるように」使われたいという意思を持っているらしいのです。
「お金が入ってこない」と言って苦しんでいる人がいますが、そのような人は、出せる時に出さないで、入ることばかりを考えているのではないでしょうか。
「喜ばれるように」使えば、お金は入ってくるのだそうです。
それはたとえば、若い芸術家の作品を買ってその人を応援してあげたり、はやらない店で食事をして売り上げに貢献したり、経験のない舞台俳優のチケットを買って観に行ったりするということでも、喜ばれるお金の使い方なのだそうです。
これを、「生き金」というらしいのです。
喜ばれたお金は、倍返しで返って来るので、貧しさから解放されるというのが、托鉢の本当の意味だったのです。
しかし、ギャンブルや贅沢や華やかなブランド品などに使うことは、お金が嫌がる「死に金」になるのだそうですから、気をつけたいものですよね。
「先に出す」という行為によって、お金を出す人に豊かさが回ってくるのだと知ってからは、カウンセリングにもちゃんとお金をいただくようになりました。
お金も人間も、喜ばれるために存在しているのですから、この法則を知って、キチンと身につけると、ますます人生が楽で楽しくなるのではないでしょうか。