心理カウンセラーの風湖です。
私がまだ心理学の講師になりたての頃、NLPやTAなどの授業を担当させていただけることがあまり無く、仕事といえば週に一回か二回の短時間のセミナーだけ、という時期もありました。
その頃は、「セミナー参加希望者が◯名いらっしゃいますので、よろしくお願いします。」などと仕事の依頼をいただくと、嬉しくて、前日から緊張しながらあれこれと準備をしたものです。
そんな時代のある時、あるセミナーに集まって下さったお客様を見て、主催者の方が「定刻になりましたが、まだ半数も来られていませんが、どうしましょう。」と、困った様子で私に言いました。
今では懐かしい思い出ですが、その頃は、集まるまで何分間も待っていたり、定刻よりも30分くらい遅れて始まることもよくありました。
私は、「定刻前にもかかわらず、半数以上の人が来てくださっているのですから、来ていない人のことをあれこれ言うより、来てくださった方に感謝申し上げた方がいいですよね。」と、言いました。
そんな時が何回か続いたので、最初はソワソワしていた担当者もやがてニコニコと笑顔になり、予約されていた参加者の皆さんが来ても来なくても全然気にしないようになりました。
すると面白いことに、その担当者が、セミナーに来るとか来ないとかを心配していたり、定刻に近くなるとオロオロしていた時は半分の人しか集まらなかったのに、気にしなくなってからは定刻にほぼ全員の方が集まるようになり、しかもお客様の人数自体も増えてきたのです。
「ああなったらどうしよう。」とか、「こうなると困るな。」というようなネガティブな不安の感情は、もしかしたらその現象を次に呼んでいるのかもしれません。
目の前に起こった現実を見て、自分にとって理想通りの展開になっていない時に文句を言うのではなく、7〜8割が叶っているのであれば、その起きている分に対して感謝することが大切なのですよね。
今、自分に起こっていることは、自分の実力通りのことが起こっているのだと、受け止めることも大切なのだと教えていただいた時期でした。
それからは、ますます勉強を重ね、たとえ少人数でも喜んでセミナーを引き受け、やがてたくさんの生徒さんに囲まれて、様々な授業を任せられるようになり、今の私がいるのです。
どんな現実でも、喜びや幸せを感じて感謝ができると、自分自身が楽で楽しくなりますし、自分にとって幸せなこと、心地よいこと、嬉しいことを次々に起こしてくれるようです。
欲張らず、頑張らず、努力せず。
等身大の自分の、ちょうどいいレベルの、こと、もの、人に囲まれた人生なのだから、安心し、リラックスして生きられるのではないでしょうか。
そんな私に笑顔を見せてくださる人達に、本当に感謝です。