心理カウンセラーの風湖です。



 ボールを壁に向かって思いっきり強く投げつけたとします。
 すると、強いボールが跳ね返ってきます。



 反対に、優しく弱い力でボールを壁にぶつけたとします。
 すると、優しく弱いボールが返ってきます。



 それと同じで、自分の「思い」が強ければ強いほど、「思い通りにならない。」というイラ立ちは強くなります。



 反対に、「思い」が弱ければ弱いほど、「思い通りにならない。」というイラ立ちは弱くなります。



 それならば、「思い」を全く持たなければ…。
 「思い」を全く持たなければ、当然どこにも悩み苦しみなどは生じないのです。



 つまり、「思い」そのものがなければ、「思い通りにならないこと」も生じないということになるのです。



 たとえば、病気をしたとしても、
 「この病気を絶対に治すぞ!克服してみせるぞ!」
 と、いうような強い思いを持ってしまうと、毎日が辛く、ストレスが溜まります。



 病気になったら、なにも考えず、全てを受け入れ、全てを委ね、ただベッドで横になってゆっくり休むのです。
 身体中の力を抜いて安静にしていれば、身体に力が入っているよりも、治りが早いのではないかと思うのです。



 このような話をすると、
 「任せておくだけで大丈夫なのか。人間には夢や希望が必要なのではないか。そのために一生懸命努力して、実現するほうが人間として立派なことではないのか。」
 と、反論する人もいるでしょう。



 そのような価値観で生きている人も確かにいらっしゃいますから、「思い」をたくさん持って、その「思い」を実現させようと努力しても、それはそれで良いと思います。



 努力や頑張りを否定しているのではありません。



 夢や希望をたくさん持ち、その結果として思い通りにならないことがたくさん生じて、それによって苦しんでいるのならば、時には全てをお任せして、悩みや苦しみをゼロにすることも大事なことなのではないかと思うのです。



 「思い」を持たなければ「思い通りにならないことも生じないのですから、「思い」を持たなければ、楽な生き方が出来ます。



 どうせなら、楽しく幸せな生き方を選んだ方が良いのではないかな、と、思うのです。



 もともと、私達人間は、喜びや幸せは持って生まれて来ているのです。
 それを理解せずに、それ以上のものを望むから、苦しくなってしまうのではないかと、私は思います。