心理カウンセラーの風湖です。




 これまでの教育の中で私達は、「人は、夢や希望を持たなければならない」と言われ続けて来ました。



 
 ですから、いつか夢が叶ったら、人生が薔薇色になると信じている人は、とても多いのではないかと思います。




 しかし、いざ実際に成功してみると、想像していた世界と違っていることが多いのに戸惑ってしまう人も多いのだそうです。



 ある心理学者は、「人生で最大の恐怖は、死の恐怖よりも、成功することへの恐れなのだ」と言っています。



 普通の人は、失敗のほうを恐れていると思いますよね?
 しかし、それは成功への恐れに比べれば、たいした恐怖ではないのだそうです。



 たしかに失敗は辛い体験のように思えます。
 それでもそれも、時間が経てばいつか乗り切ることができます。



 とても大きな夢を叶えた人達は、言ってみれば膨大なエネルギーを全身で受け止めるということなのだそうです。
 それは、例えるならばナイアガラの滝の下で、滝に打たれるようなものなのです。



 それほどまでに、膨大な豊かさ、愛情、友情が自分のところへやってくると、ほとんどの人は自分の中の無価値感でそれを受け止めきれなくなるというのです。



 つまり本当に成功をするということは、あらゆる変化を受け止めるということなのですね。



 変化は普通、痛みを伴います。
 たとえば友人がいなくなったり、現在のパートナーとの別れも経験したり、上司や同僚との別れや、今までの自分とも別れなければならないのかもしれません。



 そんなわけもわからない目にあうよりも、豊かさはないけれど、幸せな現状を望みたくなり、また元に戻りたくなる人もいらっしゃるのかもしれませんね。



 しかしそれでも良いのです。
 どちらを選んでも、自分の人生なのですから。



 しかし、そういう人生が楽しいという人も確かにいらっしゃいます。



 ただ、なにがなんでも夢や希望を捨ててはならないというのは、学校教育や社会の中で洗脳されてきたのにすぎないのかもしれません。



 私達の本当の成功とは、あらゆる夢を捨てて完全に人生の流れに身を委ねることなのではないでしょうか。
 しかし、それが出来る人はとても少ないのです。



 私は、年齢的にも体力的にも「夢も希望もない暮らし」をしていますが、その方が楽で楽しい人生を送っていますよ。