心理カウンセラーの風湖です。
「カウンセラーになりたいのですが、悩みのある人に対してどのように接してあげたら良いのかわかりません。」
私の心理学講座の生徒さんからも、このような心配をされている方はとても多いです。
人の悩みはそれぞれ違いますから、「これが正しいカウンセリングです。」というマニュアルがあるわけではないので、心理学を学んだ上で経験を積んで行くしかないのですが、やはり必要な要素もあります。
それは、「どれだけ深く人の悩みに寄り添ってあげられる、母性に満ち溢れた人物になのか」ということです。
お釈迦様の言葉で、「人物を作る3箇条」というものがあります。
1つ目は「貧乏」
2つ目は「読書」
3つ目は「母親の感化」
「母親の感化」とは、母親の影響ということなのですね。
母親が本来子供に教えるべきことというのは、もともとは「優しさ、温かさ、思いやり」なのです。
協調性や、人を助けることや、共感することや、許し合うことや…。
そんな価値観を教えるのが、母親の役割なのだということです。
しかし、最近は「能率、生産性、合理性」を母親が教えている場合が多いような気がします。
つまり、自分を主張すること、自分を他人よりも抜きん出る存在にすること…。
自分以外の人を「敵」にしてしまう教育です。
お釈迦様は、信頼される人、尊敬される人、安心される人というのを「人物」と言っているのですが、そのためには生産性とか能力とか合理性というものは全くいらないのです。
魅力的な人というのは、「あの人にもっと会いたい。」と、思わせる人のことです。
そんな人は、多くの人を呼び寄せますから、なにをやっても成功するのではないかと思います。
そして、そんな魅力的な人になるためには、優しさとか、温かさ、思いやり、協調性。
すなわち母性が必要です。
それなのに、戦うこと、自己主張すること、自分が人より抜きん出ることを、母親が一生懸命教え込んでいるので、子供の精神のバランスが崩れているのはないかと思うのです。
比べたり、競ったり、争ったり。
それに勝つことだけが成功者だと思っている親は、実は子供をどんどん不幸にしているのだということに、早く気づいて欲しいと望みます。
「良いカウンセラー」になることよりも、まずは「魅力的な人」になれたら、自分も嬉しいですし、そんなあなたを見て、人は、「悩みを打ち明けたい」と思ってくださるのではないでしょうか。