心理カウンセラーの風湖です。
私の娘が3歳くらいのとき、預かってもらっていた保育園の先生から聞いた話です。
保育室での自由遊びの時間、娘が保育園にあるオモチャで遊んでいると、隣にいた男の子のお友達が娘の持っているオモチャをパッと取ってしまうのですが、娘はすぐに手を離してその子に渡すのです。
そして、その男の子がそのオモチャで遊び始めると、娘は仕方なく別のオモチャを持ってきて、遊び始めます。
そうするとまた、別のお友達が近づいて来て、娘が持っているオモチャをパッと取るのですが、娘は、何回取られても不機嫌になったりオモチャを取り返そうとはしないのだそうです。
保育園の先生は、その様子を見ていて、娘がいつ「先生、オモチャ取られちゃう〜」と訴えて来るのかな?と待っていても、またオモチャの中から新しい物を取って来て遊ぶんですよ、と、笑って私に話してくれました。
でも、保育園のお友達はみんな穏やかで優しい娘のことが大好きで、最後にはみんなで一緒に遊び始めるんですよ、と、先生は優しく言ってくれました。
たとえば、隣の席に座っているお友達同士が、突然喧嘩を始めたとしても、娘はちらっとだけ様子を見て、スーっとその場を立ち去るだけで、喧嘩を止めようとしたり、先生を呼んで来ようともしないのです。
一見すると、覇気が無く、ボーっとしているように見える私の子供達でしたが、誰とも争わないでいると、敵はあらわれません。
いろんな人を味方につけると、みんなから好かれるのだということを教えてくれているようにも見えました。
争わないし、競わない。
確かに娘は、保育園だけでなく、学校でも誰からも好かれていて、無敵でした。
上の息子も下の娘も、もう子供達は20歳を過ぎてすっかり大人になりましたが、相変わらず覇気はなく、ボーっとしているように見えます。(^^)
でも、何があっても考え方は前向きでいつも笑顔です。
50歳前後の私達は、戦時中に生きた世代の先生や親から教育を受けて来ましたから、
「人と競い合って勝つことは、偉い、素晴らしい!」
と、教えられて生きてきました。
しかし、これからの時代は、もう、その価値観からは抜け出しても良いのではないでしょうか。
人と競い合って目的を果たす生き方しか知らなかった昭和生まれの私の元に、平成生まれの娘達は、新しい価値観を持って生まれてきてくれたのではないかと思うのです。
そして、これから令和の時代に生まれて来る子供達のために、誰かと争わない、競わない、比べなくても幸せに目的を果たすことができる世の中になっていくことを望みます。