心理カウンセラーの風湖です。
ある日本人の男性が、スイスを旅行した時のお話です。
湖のほとりで、地元に住む男性が釣りをしていたので、日本人の男性が声を掛けました。
日本人「ここではたくさん釣れますか?」
カナダ人「今日はあまり釣れませんね。」
日本人「大きな底網を投げて、ゴッソリ魚を獲ったらいかがですか?」
カナダ人「そんなに釣っても、家族で食べ切れませんよ。」
日本人「魚を市場で売れば良いではないですか。」
カナダ人「売ってどうするのですか?」
日本人「お金が儲かりますよ。」
カナダ人「そんなにお金を持って、どうするのですか?」
日本人「別荘でも建てたら良いではないですか。」
カナダ人「別荘を建てて、なにをするのですか?」
日本人「ゆっくり釣りでもしたら良いではないですか。」
カナダ人「…。」
これは笑い話ですが、とても深い話だと思います。
特に高度成長期の日本人は、「エコノミーパーソン」と呼ばれていて、それは、「お金を稼ぐことばかりに躍起になって、余裕がなく、窮屈な生活をしている人々」という意味なのです。
とりあえず「稼ぐ」ことのほうが先だと思っていて、稼いだらそのお金をどう使うかは、その時に考えよう…と、思う人が多いのでしょうが、ちょっと待ってください。
いかに稼ぐか、どのように儲けるかという方法論は世の中に溢れかえっていますが、「いかにお金を使うか?」については、誰も教えてくれませんから、人は、とりあえずお金があれば幸せになれるのだと信じているのです。
しかし、お金を持っている人は、「どのようにお金を稼ぐのか」よりも、まず先に、「どのようにお金を使うのか」を考えるのだと聞いたことがあります。
そして、必要以上にお金が欲しいとは思っていない人が多いのです。
たとえばレストランなどでお店の人がコップに喉を潤すためのお水を入れてくれますが、コーヒーでもジュースでも、美味しく飲んだ後にコップが空になっているから入れてくれるのですよね?
エレベーターも、タクシーも、電車もバスも、出る人のほうが先です。
出る人がまだいるのに入ろうとはしません。
つまり、「楽しんで、喜ばれるようにお金を使う」ことをまずは考え、そして空になったらまたお金を稼ぐ人生の方が、仕事をするのも楽しくなりますし、お金も喜んで入って来てくれるような気がするのです。
お金をどれだけ稼ぐかということよりも、自分が喜び、家族が喜び、充実した人生のためにお金を使う方法にまずは感心を持つことが、「お金を持っている人」の考え方なのではないかと私は思うのです。