心理カウンセラーの風湖です。



 ある時、何気なくテレビを見ていたら、似顔絵を描くことを仕事にしている画家の男性がインタビューで、
 「美しい人ほど、似顔絵が描きにくい。」
 と、言っていました。



 「似せようと思って、特徴を探すのですが、誰がみても綺麗だと言われる人に限って、描けば描くほど似ていなくなるのが不思議です。」



 似顔絵というのは、顔のつくりだけではなく、全身の中で相手の目につきやすい特徴を見つけて、それをよりデフォルメして、オーバーに描くことによって、とても「似ている似顔絵」として完成されるのだそうです。



 しかし、美しいと言われる人ほど、捉えどころがない、これといって特徴がないので、似顔絵を描くのが難しいのだそうです。



 つまりその方が魅力的であればあるほど、洗練されればされるほど「特徴がない。」
 実に淡々と、そして自分の個性を主張しない人、ということになるのではないでしょうか。



 本当の意味で美しく綺麗な人は、決して自分の気持ちを表現しようとしないで、感情的にならず、表情もマイルドになり、特徴がなくなっていくらしいということなのですね。



 もしかすると、自分の人生をスムーズに進んでいくようにするためには、
 「感情的にならないこと。」
 「淡々と生きること。」
 を少し意識することも、大切なことなのかもしれません。



 そして、何があっても一喜一憂しないで、褒められても有頂天になって舞い上がらす、けなされても落ち込まず、いつも淡々と、ひょうひょうとして、感情のコントロールができる人になること。



 そんな魅力的な大人が、誰が見ても「美しい」と評価されるのではないかと思います。



 「あの人はこういう人。」と断定されない、どこかミステリアスな雰囲気を待ち合わせている。
 しかしそれでいて、いつも口角が上がっていて、見ている人を安心させるような雰囲気や表情を持ち合わせている人が、本当の意味で「綺麗な人」なのではないかと私は思うのです。