心理カウンセラーの風湖です。



 昨日、渋谷のあるコンサートホールで開催されたピアニスト、フジコ・ヘミングさんのコンサートへ行って来ました。



 フジコ・ヘミングさんは、私はずっと前から尊敬している人物のひとりだったので、チケットが取れてからは、もうずっと前から楽しみにしていました。



 フジコ・ヘミングさんのソロ演奏はとてもドラマティックです。
 ショパン、リスト、ラヴェル、その音色はまるで大物作曲家たちの生涯を物語る詩人のようで、本当に感動しました。



 「ぶっ壊れそうな鐘があってもいいじゃない」
これは、ブレイクのきっかけとなったNHKの特番でフジコ・ヘミングさんが言った言葉です。



 彼女の演奏もその言葉も、たくさんの人達の心に響きます。



 「ピアニストの中には、何分でこれだけ弾けるとか、どれだけ正確に弾けるとか、そんなことを自慢する人がいるけれど、スポーツじゃあるまいし。


 正確なのがいいのなら、機械に弾かせればいいのよ。
 私はあたたかい演奏をしたい。



 ピアノも人生も、少しくらい間違えてもいい。
 完璧じゃなくてもいいっていうのが私のポリシー。



 楽しいことばっかりじゃなくて、悲しいこともあったほうが、天国に行った時に少しおセンチな気持ちになれていいじゃない。



 何もかも順調で、自分の思い通りに上手くいってばっかりだったら、きっと退屈よ。」



 昨日のコンサートは、まさにそんな彼女の言葉そのものが滲み出るような演奏ばかりでした。



 人が経験する、喜び、悲しみ、出会いや別れ、失敗や絶望さえ、決して無駄にはせずに、自分の人生や音楽の糧になることを私達に教えてくれているようで、会場の客席でひとり、涙がました。



 人間の喜びにはさまざまありますが、最も大きな喜びのひとつは、「人に喜ばれること」なのだと思います。



 魅力的な人になるということは、彼女のように、「人に喜びを与える人になるということ」なのだと私は思うのですが、それは同時に、他ならぬ自分自身が最大の喜びを得ることでもあるのです。



 私は、また今日からフジコ・ヘミングさんの生き方から様々なことを勉強し、喜ばれる存在になるべく、心理学伝え続けていきたいと思っています。